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日本成長戦略 進捗モニタリング編 No.13|合成生物学・バイオ/創薬・先端医療分野

バイオ医薬品・再生医療等製品、決定後の進捗(2026年7月〜10月)
大阪・神戸のクラスター計画とCDMO10拠点の目標、製造体制整備の予算要求

官民投資ロードマップで2040年度までに官民20.8兆円の投資が想定されている「バイオ医薬品・再生医療等製品等」。7月の決定後に公表された近畿地域(大阪市・神戸市)の戦略産業クラスター計画、都道府県の計画、厚生労働省・経済産業省の2027年度概算要求までを、一次資料の事実と数値で整理します。

作成:2026-10-31 | データ基準時点:2026年10月

CHAPTER 01

ロードマップ上の位置づけと目標

バイオ医薬品・再生医療等製品等は、戦略17分野のうち合成生物学・バイオ分野と創薬・先端医療分野の両方に位置づけられた「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に日本成長戦略本部で官民投資ロードマップとして決定されました。

20.8兆円
官民投資額(想定)2040年度まで
174.9兆円
経済波及効果(想定)2040年度まで
23.0兆円
2040年の日本企業の売上(合計)目標(素案)(政策目標として示されている値)

現状認識(素案)

  • 世界の医薬品市場は2022年で約200兆円規模と推計され、バイオ医薬品、再生・細胞・遺伝子治療等の比率が4割を占めるとされています。
  • 日本の医薬品の自給率は低く、製造工程や周辺産業を含めて他国依存度が高くなっているとされています。
  • 世界トップシェアのバイオ医薬品や、ノーベル生理学・医学賞を受賞した基盤技術などが日本発で生まれているとしています。
  • アジアの国々はバイオ医薬品を国家戦略上の重要分野に位置づけ、製造体制を急速に強化しているとしています。

素案で示された目標と勝ち筋

  • 海外で製造されている国内向けバイオ医薬品を、国内製造拠点で製造することを目指す。
  • アジアの再生医療等製品等のCDMO(開発・製造受託)市場のシェア獲得を目指す。
  • iPS細胞に加え、バイスペシフィック抗体や抗体薬物複合体(ADC)など技術基盤を持つ分野で開発・製造受託の実績を積み上げ、国際競争力を高める。
経済波及効果は品目間で重複があるため合算できないとされています。官民投資額は予算編成やPDCAを通じて精査・改定される予定です。
日本成長戦略会議 第3回「先行して検討を進めている主要な製品技術等の官民投資ロードマップ素案」(2026年3月) 内閣官房「戦略17分野における『主要な製品・技術等』の官民投資ロードマップ 参考資料」(2026年7月)
CHAPTER 02

戦略産業クラスター計画:近畿地域(大阪市・神戸市)

地域未来戦略(2026年7月21日閣議決定)に基づき、2026年7月31日の関係副大臣等会議で報告された戦略産業クラスター計画13件のうち、「バイオ・先端医療 戦略産業クラスター計画(近畿地域)」が該当します。対象区域は大阪府大阪市と兵庫県神戸市で、バイオものづくり、バイオ医薬品・再生医療等製品、革新的デバイス(医療機器)を対象とします。

分野・地域官民設備投資(累積)付加価値増加額(累積)人材育成
バイオ医薬品・再生医療等製品(大阪府)KGI 2040年約86億円約451億円600人(累積)
同 KPI 2030年度30億円150億円CDMO人材 年40人(単年度平均)
バイオものづくり(兵庫県)KGI 2040年約302億円約1,575億円約45,000人
同 KPI 2030年度100億円525億円技術人材 累積1,750人増
  • 大阪府のKGIには、CDMOを10拠点以上とする目標が含まれています。
  • 兵庫県のバイオ医薬品と医療機器の数値は、バイオものづくりのKGIに含まれるとされています。
  • 中核案件として、クオリプス(大阪市)の大量細胞培養施設の要素技術の確立、日揮ホールディングス(神戸市)のバイオものづくり研究拠点(2027年稼働予定)、神戸大学のカダバーR&D施設(2028年運用開始予定)などが挙げられています(投資額は非公表)。
  • 課題として、再生医療用の重要原材料の約7〜8割が海外依存であることが示されています。
KGI・KPIの数値は計画で目標として示されている値です。
内閣官房「バイオ・先端医療 戦略産業クラスター計画(近畿地域)」計画本文・概要資料
CHAPTER 03

都道府県の計画

都道府県が主導する地域産業クラスター計画でも、創薬・バイオ・医薬品製造関連の計画が公表されています(内閣官房の公表ページ、2026年10月30日確認)。

策定主体計画・産業領域
千葉県創薬・先端医療、バイオ産業分野
富山県バイオ・医薬品分野(医薬品産業、医薬品の製造に用いる部素材等のものづくり産業)
静岡県・浜松市医療健康分野(医療ものづくり等を核とする医療健康産業領域)
奈良県「医薬品等製造」分野
熊本県食・ライフサイエンス産業領域
千葉県 創薬・先端医療、バイオ産業分野の目標(2026〜2030年度)
  • 官民設備投資額:5年間合計2,100億円(2030年度単年で420億円)
  • 付加価値増加額:5年間合計556億円
  • 雇用創出:5年間合計432人、産業人材育成:5年間合計130人

対象地域はかずさ・柏の葉地区で、千葉大学、国立がん研究センター(柏キャンパス)、かずさDNA研究所、NITEバイオテクノロジーセンターなどを拠点に挙げています。

内閣官房「地域未来戦略に関する3類型の計画」B.地域産業クラスター計画一覧 千葉県「創薬・先端医療、バイオ産業分野における地域産業クラスター計画」概要資料
CHAPTER 04

2027年度概算要求(厚生労働省・経済産業省)

286億円
厚労省「バイオ医薬品・再生医療等製品等の開発・製造体制の整備」(2027年度要求)
66億円
同 2026年度当初予算
285億円
うち「強く豊かな日本」投資枠
府省事業2027年度要求額
厚生労働省バイオ医薬品・再生医療等製品等の開発・製造体制の整備(iPS細胞や抗体薬物複合体などの国内生産基盤、バイオ後続品の生産体制、再生・細胞医療・遺伝子治療の実用化支援など)286億円
厚生労働省次世代バイオ医薬品等創出に向けた人材育成支援事業9億円
経済産業省バイオ医薬品等の製造拠点整備拡充事業150億円(投資枠)
経済産業省再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業125億円(投資枠)
経済産業省の2事業の金額は、同省の概算要求資料の別紙から読み取った値です。概算要求は要求段階の金額で、予算額は年末の政府予算案の決定に向けて精査されます。
厚生労働省「令和9年度予算概算要求について」(2026年8月) 経済産業省「令和9年度 経済産業省関係 概算要求等概要」(2026年8月31日)
CHAPTER 05

数値の整理と今後の確認ポイント

指標数値出典・時点
官民投資額(想定)20.8兆円(2040年度まで)官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月)
経済波及効果(想定)174.9兆円(2040年度まで)同上
日本企業の売上目標2040年に23.0兆円(政策目標として示されている値)素案(2026年3月)
大阪府 CDMO拠点10拠点以上(KGI)近畿クラスター計画(2026年7月)
大阪府 官民設備投資(KGI)約86億円(2040年・累積)同上
厚労省 開発・製造体制の整備286億円(2027年度要求、前年度当初66億円)厚生労働省(2026年8月)
経産省 製造拠点整備拡充/再生医療等設備投資150億円/125億円(2027年度要求)経済産業省(2026年8月)

今後の確認ポイント

  • 年末の2027年度政府予算案での各事業の予算額
  • 近畿のCDMO拠点の整備状況と、大量細胞培養施設などの中核案件の進捗
  • 年末に策定される日本成長戦略実行計画での位置づけ(3類型のどれに入るか、5か年の投資事業計画)
  • 2027年1月頃の取組状況の整理と、2027年春のロードマップ改訂
📌

進捗モニタリング編について

同じ創薬・先端医療分野の「感染症対応製品」はNo.08、「ファーストインクラス製品」はNo.09で整理しています。No.01(総論)では日本成長戦略全体の進捗をまとめています。

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免責事項

本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁・地方公共団体の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。概算要求額は要求段階の金額であり、予算額として確定したものではありません。本レポートは医薬品・再生医療等製品の効能・使用に関する情報を提供するものではありません。企業名は公表資料に記載された事実として掲載したもので、個別企業に関する投資推奨は一切含みません。データ基準時点は2026年10月です。

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