| ボトルネック | 具体的障壁 | 政策パッケージ |
|---|---|---|
| ① 先行投資の大きさ | 開発→認証→量産まで20〜30年かかる超長期事業。単独では投資回収が困難 | 国内投資支援(設備投資・研究開発費・認証取得費用の政府支援) |
| ② 認証専門人材不足 | FAA/EASA認証を主導できる設計エンジニアが国内に極めて少ない。MSJの最大の失敗要因 | 国際連携(海外OEMとの共同開発を通じた設計人材育成) |
| ③ 海外OEM依存 | 国内に完成機OEMがないため、エアバス・ボーイングの開発動向に投資判断が左右される | 国際連携(OEMと踏み込んだ国際体制構築) |
| ④ 試験設備老朽化・部素材逼迫 | JAXA設備が老朽化し試験実施が限定的。部素材は欧米寡占で供給逼迫 | 立地競争力強化(JAXA設備更新・部素材サプライチェーン強靱化) |
欧米 エアバス・ボーイングは「設計人材はOEM側で育成し、日本には部品製造を担ってもらう」という役割分担を維持してきた。この構造を変えるには、日本が共同設計・認証チームに参加するレベルのパートナーシップを交渉できる政治力と技術力の両方が必要だ。
ボーイング 737MAXの品質問題(2024年1月の胴体外板飛散事故)で生産が不安定化。FAAが生産拡大を承認しない状況が続き、日本の三菱重工・川崎重工・SUBARUへの機体部品発注も影響を受けている(日本航空機開発協会、2024年3月)。
エアバス A320neoファミリーの受注残高は1万機超。生産レートを毎月75機(2026年目標)に引き上げる計画だが、サプライヤー(エンジン・機体部品)の供給が追いついていない。日本企業への発注拡大の余地がある一方、品質・納期要求の水準も上がっている。
欧州 エアバスのZEROeプロジェクト(水素旅客機、2035年目標)が進行中。EU「ReFuelEU Aviation」規制で2025年から航空会社にSAF使用比率2%(2050年に70%)が義務付けられた。日本のIHI・三菱重工の水素エンジン開発がこの需要に直結する可能性。
米国 GE AerospaceのCFM RISEは、2030年代後半の単通路機向けオープンファンエンジンで従来比20%以上の燃費改善を目標。IHIのGE連携が次世代エンジン参画の経路として機能する可能性。
欧州 ReFuelEU Aviationで2025年からSAF2%義務化(2050年に70%)。SAF価格はJet-Aの3〜5倍と高く、供給不足が続いている。日本がSAF生産を拡大できれば欧州航空会社向けの輸出市場も見込める。
本レポートは、公開されている政府資料・報道・企業IRをもとに編集した情報提供を目的としたものであり、投資助言・投資推奨を目的とするものではありません。データ基準時点:2026年04月〜05月。