官民投資ロードマップで2040年度までに官民3.5兆円の投資が想定されている「民間航空機(次期単通路機・次世代航空機)」。7月の決定後に公表された成田空港周辺の民間航空機MROクラスター計画、都道府県の計画、経済産業省の2027年度概算要求までを、一次資料の事実と数値で整理します。
民間航空機(次期単通路機・次世代航空機)は、戦略17分野のうち航空・宇宙分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に日本成長戦略本部で官民投資ロードマップとして決定されました。
地域未来戦略(2026年7月21日閣議決定)に基づき、2026年7月31日の関係副大臣等会議で報告された戦略産業クラスター計画13件のうち、航空・宇宙分野の民間航空機関連は「民間航空機MRO 戦略産業クラスター計画(千葉県成田空港周辺地域)」です。MROは機体・エンジンの整備・修理・オーバーホールを指します。
| 指標 | KPI(2030年まで) | KGI(2040年まで) |
|---|---|---|
| 官民設備投資額 | 累積100億円 | 235億円以上 |
| 付加価値増加額 | 累積約260億円 | 約790億円 |
| 産業人材育成 | 航空専門学校2校の卒業生 年約100人 | 約330人 |
千葉県が2026年9月30日付でまとめた「成田空港を核とした産業集積に向けた千葉県の取組状況」は、成田空港周辺の民間航空機MROを、戦略産業クラスター計画の航空・宇宙分野における「関東圏唯一の案件」と位置づけています。対象区域は成田市・多古町・芝山町です。
| 策定主体 | 産業領域 |
|---|---|
| 栃木県 | 航空機製品を核とする航空宇宙産業 |
| 長野県 | 航空機システムや宇宙機器コンポーネントを核とする航空・宇宙機器産業領域 |
| 岐阜県 | 航空・宇宙・防衛、半導体、ヘルスケア産業を下支えするサプライチェーン企業 |
経済産業省の2027年度概算要求には、民間航空機に関する次の事業が「強く豊かな日本」投資枠で計上されています。
| 事業名 | 2027年度要求額 | 区分 |
|---|---|---|
| 次期航空機開発等支援事業 | 400億円 | 投資枠(GX) |
| 航空機の部品のサプライチェーン強靱化事業 | 57億円 | 投資枠 |
| 航空機向け革新的推進システム統合実証事業 | 43億円 | 投資枠 |
| 航空先進技術の実用化・商業化支援事業 | 35億円 | 投資枠 |
| 航空機向け革新複合材共通基盤技術開発事業 | 17億円 | 投資枠 |
| 小型エンジンMRO拠点強化支援事業 | 14億円 | 投資枠(GX) |
| 航空機装備品開発等支援事業 | 5億円 | 投資枠 |
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 官民投資額(想定) | 3.5兆円(2040年度まで) | 官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月) |
| 経済波及効果(想定) | 16.1兆円(2040年度まで) | 同上 |
| 航空機産業の売上高 | 2兆円規模(2019年) | 素案(2026年3月) |
| 市場獲得目標 | 2050年に約6兆円/年以上(政策目標として示されている値) | 素案(2026年3月) |
| 次期単通路機の製造目標 | 2050年までに約8,000機 | 同上 |
| 成田MRO 官民設備投資(KGI) | 235億円以上(2040年まで) | 戦略産業クラスター計画(2026年7月) |
| 経産省 次期航空機開発等支援事業 | 400億円(2027年度要求・投資枠) | 経済産業省(2026年8月) |
本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁・地方公共団体の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。概算要求額は要求段階の金額であり、予算額として確定したものではありません。企業名は公表資料に記載された事実として掲載したもので、個別企業に関する投資推奨は一切含みません。データ基準時点は2026年10月です。