官民投資ロードマップで2035年度までに官民0.9兆円の投資が想定されている「データプラットフォーム」。国内市場を2025年の約0.73兆円から2035年に5兆円へ広げる目標に対し、7月の決定後に動いた、IPAによる新試験制度のシラバス案の公表、ウラノス・エコシステムの成果報告までを、一次資料の事実と数値で整理します。
データプラットフォームは、戦略17分野のうちデジタル・サイバーセキュリティ分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に官民投資ロードマップとして決定されました。
製造業などの国内データホルダーにとって、産業競争力や経済安全保障に関わるデータを安心して処理できる、データ精製などの国内サービスの提供を確保するとしています。
製造業の現場データ・ノウハウを産業競争力の基盤と位置づけ、データホルダーにとって安心・安全な形でAI-Ready化し、データ連携を通じてスケーラブルに活用するとしています。フィジカルAIを見据え、データ精製技術とデータ連携技術の手法論を確立・横展開するとしています。
| 区分 | 主な施策 |
|---|---|
| 国内投資支援 | AI-Ready化・データスペースの手法論確立や標準化に関する研究開発・実証の支援、安価な国内プラットフォームサービスの育成 |
| 需要創出・社会実装 | AI-Ready化の標準的手法の各産業への横展開、データ連携のユースケース創出、中小企業・小規模事業者へのデジタル化ツール・AI導入支援 |
| 立地競争力強化 | データマネジメントスキルを評価する新たな試験、デジタル人材スキルプラットフォーム、DX銘柄の見直しの検討、法人トラスト認証の活用 |
| 国際連携 | データスペースの国際標準化・相互運用性の確保、フィジカルAIの国際展開と連携した海外展開 |
| 時期 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年7月6日 | NEDOデジタルライフライン整備事業の成果報告会で、「日本のデジタル・エコシステム 現在地とこれから(ウラノス・エコシステム・イニシアティブ)」を報告 | NEDO |
| 2026年7月31日 | プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント/システム)試験(仮称)のシラバス案を更新 | IPA |
| 2026年8月31日 | ITパスポート試験、データマネジメント試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験のシラバス案を掲載(データマネジメント試験はVer.0.1) | IPA |
| 2026年9月30日 | 情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験のシラバス案などを掲載 | IPA |
| 2026年10月30日 | プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)のシラバス案を掲載 | IPA |
IPAの3月31日の発表によれば、データマネジメント試験(仮称)は主にビジネス部門を想定し、データの整備・管理スキルを評価する試験で、「ITパスポート試験の次のステップの試験」と位置づけられています。あわせて、応用情報技術者試験と高度試験を統合・再編した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」を新設し、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域を設けるとしています。素案が政策パッケージに掲げた「データのAI-Ready化などAI時代のデータマネジメントスキルを評価するための新たな試験」にあたる取り組みです。
| 時期(予定) | 内容 |
|---|---|
| 2026年度内 | デジタル人材スキルプラットフォームのサービス構築を目指す |
| 2027年度春頃 | 新制度でのITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験 |
| 2027年春〜 | デジタル人材スキルプラットフォームの始動 |
| 2027年度夏頃〜秋頃 | データマネジメント試験(仮称)、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験 |
| 2028年 | スキルプラットフォームの登録者数目標100万ID |
本レポート作成時点で、経済産業省の2027年度概算要求のうちデータプラットフォーム(AI-Ready化、データスペース、ウラノス・エコシステムなど)に対応する事業と金額を、一次資料から特定できませんでした。このため本レポートでは要求額を記載していません。年末の政府予算案の公表時に確認します。
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 官民投資額(想定) | 0.9兆円(2035年度まで) | 官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月) |
| 経済波及効果(想定) | 2.2兆円(2035年度まで) | 同上 |
| 国内市場の目標 | 2035年までに5兆円(政策目標として示されている値) | 素案(2026年3月) |
| 国内市場の現状 | 0.73兆円程度(2025年時点、IDC調査) | 同上 |
| グローバル市場の見込み | 2035年に約50兆円規模 | 同上 |
| 企業内データの割合 | 全世界で流通するデータの6割 | 同上 |
| データマネジメント試験(仮称) | シラバス案Ver.0.1を8月31日に掲載、2027年度夏頃〜秋頃に実施予定 | IPA |
| スキルプラットフォーム | 2028年に登録者数100万IDが目標 | 経済産業省(2026年4月) |
本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁・独立行政法人の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。データ基準時点は2026年10月です。