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日本成長戦略 進捗モニタリング編 No.21|デジタル・サイバーセキュリティ分野

データプラットフォーム、決定後の進捗(2026年7月〜10月)
新設「データマネジメント試験」のシラバス案を公表、2027年度に新試験制度へ

官民投資ロードマップで2035年度までに官民0.9兆円の投資が想定されている「データプラットフォーム」。国内市場を2025年の約0.73兆円から2035年に5兆円へ広げる目標に対し、7月の決定後に動いた、IPAによる新試験制度のシラバス案の公表、ウラノス・エコシステムの成果報告までを、一次資料の事実と数値で整理します。

作成:2026-11-08 | データ基準時点:2026年10月

CHAPTER 01

ロードマップ上の位置づけと目標

データプラットフォームは、戦略17分野のうちデジタル・サイバーセキュリティ分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に官民投資ロードマップとして決定されました。

0.9兆円
官民投資額(想定)2035年度まで
2.2兆円
経済波及効果(想定)2035年度まで
5兆円
2035年までの国内データプラットフォーム関連市場の規模(政策目標として示されている値)
国内市場は2025年時点で0.73兆円程度(IDC調査)とされています。グローバルのデータプラットフォーム関連市場は、2035年に約50兆円規模へ急成長する見込みとしています。投資額・経済波及効果は、No.20の政府DX基盤と同じく2035年度までの想定です。経済波及効果は品目間で重複があるため合算できないとされています。

達成すべき戦略的な目標(素案)

製造業などの国内データホルダーにとって、産業競争力や経済安全保障に関わるデータを安心して処理できる、データ精製などの国内サービスの提供を確保するとしています。

日本成長戦略会議 第3回「先行して検討を進めている主要な製品技術等の官民投資ロードマップ素案」(2026年3月) 内閣官房「戦略17分野における『主要な製品・技術等』の官民投資ロードマップ 参考資料」(2026年7月)
CHAPTER 02

素案の現状認識・勝ち筋・政策パッケージ

現状認識

  • AI学習・利用やデータ連携が容易な形式にデータを精製する技術(AI-Ready化)や、分散管理されたデータを信頼ある形で柔軟に活用するデータ連携技術(データスペース)の検討が、国際的に進んでいるとしています。
  • インターネット上のテキストデータで性能を高めてきた生成AIで「学習データの枯渇」が問題になる中、全世界で流通するデータの6割を占める企業内データの利活用が産業戦略上の焦点になるとしています。
  • 一方、データ精製や組織間のデータ連携は手法論が確立しておらず、取り組みが進んでいる企業は限定的としています。

課題(ボトルネック)

  • データ精製などのサービスの多くは高価な海外製で、安心して使える安価な国内サービスが限られる
  • AI時代に即したデータマネジメントを現場で実践できる人材の不足
  • データ連携のユースケースが未成熟で、事業者が投資に踏み切りにくい。AI-Ready化の技術・サービスは勃興段階で、有望なものの見極めが難しい

勝ち筋

製造業の現場データ・ノウハウを産業競争力の基盤と位置づけ、データホルダーにとって安心・安全な形でAI-Ready化し、データ連携を通じてスケーラブルに活用するとしています。フィジカルAIを見据え、データ精製技術とデータ連携技術の手法論を確立・横展開するとしています。

政策パッケージ(素案)

区分主な施策
国内投資支援AI-Ready化・データスペースの手法論確立や標準化に関する研究開発・実証の支援、安価な国内プラットフォームサービスの育成
需要創出・社会実装AI-Ready化の標準的手法の各産業への横展開、データ連携のユースケース創出、中小企業・小規模事業者へのデジタル化ツール・AI導入支援
立地競争力強化データマネジメントスキルを評価する新たな試験、デジタル人材スキルプラットフォーム、DX銘柄の見直しの検討、法人トラスト認証の活用
国際連携データスペースの国際標準化・相互運用性の確保、フィジカルAIの国際展開と連携した海外展開
表は横にスクロールできます。
CHAPTER 03

7月〜10月の主な動き

時期内容出典
2026年7月6日NEDOデジタルライフライン整備事業の成果報告会で、「日本のデジタル・エコシステム 現在地とこれから(ウラノス・エコシステム・イニシアティブ)」を報告NEDO
2026年7月31日プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント/システム)試験(仮称)のシラバス案を更新IPA
2026年8月31日ITパスポート試験、データマネジメント試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験のシラバス案を掲載(データマネジメント試験はVer.0.1)IPA
2026年9月30日情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験のシラバス案などを掲載IPA
2026年10月30日プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)のシラバス案を掲載IPA

データマネジメント試験(仮称)とは

IPAの3月31日の発表によれば、データマネジメント試験(仮称)は主にビジネス部門を想定し、データの整備・管理スキルを評価する試験で、「ITパスポート試験の次のステップの試験」と位置づけられています。あわせて、応用情報技術者試験と高度試験を統合・再編した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」を新設し、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3領域を設けるとしています。素案が政策パッケージに掲げた「データのAI-Ready化などAI時代のデータマネジメントスキルを評価するための新たな試験」にあたる取り組みです。

シラバス案は現時点の検討状況に基づくもので、今後変更される可能性があるとされています。
IPA「新試験制度のシラバス案」ページ(更新履歴、2026年10月30日時点) IPA プレス発表「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」(2026年3月31日) NEDO デジタルライフライン整備事業 成果報告会資料(2026年7月)
CHAPTER 04

今後のスケジュールと予算の確認状況

新試験制度・デジタル人材スキルプラットフォームの予定

時期(予定)内容
2026年度内デジタル人材スキルプラットフォームのサービス構築を目指す
2027年度春頃新制度でのITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験
2027年春〜デジタル人材スキルプラットフォームの始動
2027年度夏頃〜秋頃データマネジメント試験(仮称)、プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)、情報処理安全確保支援士試験
2028年スキルプラットフォームの登録者数目標100万ID
経済産業省の資料(2026年4月13日、Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会)とIPAの発表に基づきます。いずれも予定で、準備状況により遅れる可能性があるとされています。2026年4月には、データマネジメント類型(データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクト)を新設した「デジタルスキル標準 ver.2.0」も公表されています。

2027年度概算要求について

本レポート作成時点で、経済産業省の2027年度概算要求のうちデータプラットフォーム(AI-Ready化、データスペース、ウラノス・エコシステムなど)に対応する事業と金額を、一次資料から特定できませんでした。このため本レポートでは要求額を記載していません。年末の政府予算案の公表時に確認します。

経済産業省「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会報告書を踏まえた検討状況について」(2026年4月13日) IPA プレス発表(2026年3月31日)
CHAPTER 05

数値の整理と今後の確認ポイント

指標数値出典・時点
官民投資額(想定)0.9兆円(2035年度まで)官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月)
経済波及効果(想定)2.2兆円(2035年度まで)同上
国内市場の目標2035年までに5兆円(政策目標として示されている値)素案(2026年3月)
国内市場の現状0.73兆円程度(2025年時点、IDC調査)同上
グローバル市場の見込み2035年に約50兆円規模同上
企業内データの割合全世界で流通するデータの6割同上
データマネジメント試験(仮称)シラバス案Ver.0.1を8月31日に掲載、2027年度夏頃〜秋頃に実施予定IPA
スキルプラットフォーム2028年に登録者数100万IDが目標経済産業省(2026年4月)

今後の確認ポイント

  • 年末の2027年度政府予算案での、データ精製・データ連携に関する事業の有無と金額
  • データマネジメント試験(仮称)の正式な名称・実施時期の確定
  • DX銘柄の見直し(企業のDX・AXの可視化・評価)の具体化
  • 年末に策定される日本成長戦略実行計画での位置づけと、2027年春のロードマップ改訂
📌

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進捗モニタリング編 No.20(政府・自治体のDX基盤)、No.03(フィジカルAI)もあわせてご覧ください。進捗モニタリング編 No.01(総論)では日本成長戦略全体の進捗をまとめています。

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免責事項

本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁・独立行政法人の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。データ基準時点は2026年10月です。

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