官民投資ロードマップで2030年度までに官民2.6兆円の投資が想定されている「防災技術」。7月の決定後に公布された防災庁設置法と関連政令、防災庁関係の2027年度概算要求で創設が求められた「防災技術・産業成長投資総合推進費(仮称)」、地域の計画までを、一次資料の事実と数値で整理します。
防災技術は、戦略17分野のうち防災・国土強靱化分野の唯一の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に日本成長戦略本部で官民投資ロードマップとして決定されました。
自動施工・遠隔施工、インフラ老朽化対策技術、災害リスク関連技術(気象予測など)、防災資機材関連技術。海外でも導入が見込まれる技術として、地震・水害等の観測・早期警戒システム、衛星・AI等を活用した被災状況の把握、インフラの点検技術などが挙げられています。
素案は、防災技術の好循環を生み出すため「防災庁設置に伴う環境整備と併せて、多角的に政策を講じ、防災産業を発展させていく」としていました。7月以降、防災庁の設置に向けた法令の整備が進みました。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 7月17日 | 防災庁設置法(令和8年法律第61号)、防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(同第62号)を公布 |
| 9月25日 | 防災庁設置法の施行期日を定める政令、防災庁組織令、関係政令の整備に関する政令を閣議決定 |
| 9月30日 | 上記3政令(政令第303号・第304号・第305号)を公布 |
| 事業 | 2027年度要求額 | うち投資枠 |
|---|---|---|
| 防災技術の研究開発・実装、防災産業の発展(「防災技術・産業成長投資総合推進費(仮称)」の創設を含む) | 225.50億円 | 225.00億円 |
| 人工衛星、航空機、ドローン等を活用した被災状況把握システム構築の推進(鳥の目プロジェクト) | 1.50億円 | ― |
| 防災情報システムの高度化及び被災者支援業務におけるDXの推進 | 21.82億円 | 9.10億円 |
このほか、「第1次国土強靱化実施中期計画」関連の経費は事項要求として、予算編成過程で検討するとされています。
概算要求資料は、防災技術について「技術開発から商品化、実装・需要創出、更なる技術開発につながる好循環を創出」し、防災産業の振興と官民一体の海外展開を図るとしています。新たに創設を求める推進費の流れは次のとおりです。
あわせて、日本企業の海外展開を支援し、海外での日本の防災技術の導入を目指すとしています。素案の政策パッケージでは、「製品のカタログ化、登録・認証制度・規格化」「補助や公共調達による需要創出」が挙げられていました。
地域未来戦略(2026年7月21日閣議決定)に基づく地域産業クラスター計画では、高知県が「防災関連産業分野における地域産業クラスター計画」(防災関連認定製品を核とした防災産業領域)を策定しています(内閣官房の公表ページ)。防災技術を名称に含む戦略産業クラスター計画(A計画)はありません。
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 官民投資額(想定) | 2.6兆円(2030年度まで) | 官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月) |
| 経済波及効果(想定) | 14.5兆円 | 同上 |
| 防災分野の海外売上目標 | 約1兆円(2024年)→約2兆円(2030年)(政策目標として示されている値) | 素案(2026年3月) |
| 防災庁設置法 | 2026年7月17日公布(法律第61号) | 内閣官房 |
| 施行期日・組織令等の政令 | 2026年9月30日公布 | 内閣官房 |
| 防災庁関係 概算要求 | 651.84億円(うち投資枠401.74億円) | 防災庁設置準備室(2026年8月) |
| 防災技術・防災産業(推進費創設を含む) | 225.5億円(前年度0.49億円) | 同上 |
本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。素案で紹介された市場規模は民間予測です。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。概算要求額は要求段階の金額であり、予算額として確定したものではありません。個別企業に関する投資推奨は一切含みません。データ基準時点は2026年10月です。