// ANALYST NOTE
2026年3月に日本のフュージョンエネルギー分野で2つの重要な出来事があった。3月11日、JT-60SA(世界最大級のトカマク型超伝導プラズマ実験装置、茨城県那珂市)がプラズマ加熱実験に向けた統合試験運転を開始した(QST)。3月18日にはQSTとNTTが核融合炉のプラズマ予測・制御のための高頻度リアルタイム通信技術を世界初実現したと発表した。2025年6月には「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が改定され、研究開発にとどまらず実証・産業化までを一体で支援する新たな国家方針が示された。令和7年度補正予算ではQST・NIFS・ILEの3拠点にスタートアップ等への供用も可能な実規模試験設備整備のために95億円が計上された。
2026年3月11日
JT-60SA統合試験運転開始
プラズマ加熱実験に向けた統合試験運転が開始。世界最大のトカマク型装置として本格始動(QST)
世界初
QST×NTT 通信技術
核融合炉のプラズマ予測・制御のための高頻度リアルタイム通信の実現(2026年3月18日)
95億円
令和7年度補正予算
QST・NIFS・ILEの3拠点に、スタートアップ等への供用も可能な実規模技術開発試験設備群を整備
2025年6月
イノベーション戦略改定
「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」改定。研究開発から実証・産業化までを一体支援する国家方針
直近2ヶ月の重要動向(2026年4〜5月)
// 官の動き
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2026年3月11日
:QST、JT-60SA統合試験運転を開始。世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置として2026年からの本格実験に向けた試験が始動
QST 2026.3
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「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」(2025年6月改定):2030年代の発電実証を目指し、実施主体の在り方やサイト選定の進め方など社会実装を促進する取組の在り方について検討
内閣府 2025.6
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令和7年度補正予算(95億円):QST(那珂市)・NIFS(土岐市)・ILE(大阪大学・吹田市)の3拠点に実規模技術開発のための試験設備群を整備。スタートアップへの供用も可能な体制
内閣府 2026.2
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第1回フュージョンエネルギーWG(2026年2月12日):文部科学省・経産省・内閣府が連携し、発電実証に向けた工学設計や社会実装促進策の検討を開始
内閣府 2026.2
// 民の動き
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2026年3月18日
:QST・NTTが核融合炉のプラズマ予測・制御のための高頻度リアルタイム通信技術を世界初実現。フュージョン発電実用化を支える通信技術を共創
QST 2026.3
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JT-60SA:高速プラズマ位置制御コイル(FPPC)2体が完成(2026年3月)。プラズマを安定して維持するための重要部品が揃い、加熱実験の準備が整う
Yahoo!ニュース 2026.3
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国内スタートアップ:大学等における研究開発成果をベースに複数のスタートアップが設立。SBIRフェーズ3基金(中小企業イノベーション創出推進基金)を通じた社会実装支援が進む
内閣府
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中国BEST(DT反応実証プラント):2027年完成を目指して建設中。ITERのDT運転(2039年)開始前に世界で唯一のDT運転が可能なプラントとなりうる
ロードマップ素案 2026.3
日本の主要研究拠点マップ
| 拠点 |
機関 |
役割 |
直近動向 |
| JT-60SA(那珂市) |
QST(日)+EUROfusion(欧) |
世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置。ITERの支援研究・原型炉に向けた補完研究 |
2026年3月11日、統合試験運転開始。プラズマ加熱実験フェーズへ移行中 |
| 核融合科学研究所(NIFS、土岐市) |
国立大学法人人間文化研究機構 |
ヘリカル型装置LHDによるプラズマ研究。人材育成プログラムの中核 |
イノベーション拠点化に向けた設備整備(令和7年度補正予算95億円に含む) |
| 大阪大学レーザー科学研究所(ILE) |
大阪大学 |
レーザー型(慣性核融合)フュージョンの研究開発 |
3拠点連携の一角として実規模設備整備中 |
| 六ヶ所村(BA活動サイト) |
QST+欧州 |
BA活動(幅広いアプローチ)の実施拠点。材料照射・計算機シミュレーション等 |
欧州研究者の来日受け入れ(将来的に延べ200人以上/年) |