官民投資ロードマップで2035年度までに官民7.4兆円の投資が想定されている「セキュリティの確保された政府・地方公共団体のAX/DX基盤」。7月の決定後に公表されたデジタル庁の2027年度概算要求(前年度比30.5%増)、ガバメントAI「源内」の本格運用に向けた計画、自治体システム標準化の状況までを、一次資料の事実と数値で整理します。
政府・自治体のDX基盤は、戦略17分野のうちデジタル・サイバーセキュリティ分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案では「セキュリティの確保された政府・地方公共団体のDX基盤」とされ、7月の官民投資ロードマップ参考資料では「AX/DX基盤」と表記されています。
高いセキュリティ、耐災害性、十分な自律性を備えた国内のクラウド基盤を構築・利用拡大し、投資の増大と民間の技術力向上を図るとしています。施策として、複数年度にわたる計画的な「危機管理投資」(国内クラウドの整備、ガバメントAIの積極活用、セキュリティ製品・サービスの率先導入)と、地方での人材育成・DX推進エコシステムの構築(地方発SaaSの全国展開促進など)を挙げています。拡大すべき民間市場として、国内立地のデータセンター、国産のAI・クラウド、国産も含めたセキュリティ製品・サービスを示しています。
デジタル庁は2026年8月、「令和9年度予算概算要求及び機構定員要求の概要」を公表しました。
| 区分 | 2025年度補正 | 2026年度当初 | 2027年度要求 | うち投資枠 |
|---|---|---|---|---|
| 情報システムの整備・運用 | 2,299.1億円 | 4,990.4億円 | 9,523.5億円 | 3,468.3億円 |
| デジタル社会形成の推進 | 386.5億円 | 14.3億円 | 555.2億円 | 534.8億円 |
| デジタル庁の運営 | 4.3億円 | 193.3億円 | 216.4億円 | 0 |
| 合計 | 2,689.9億円 | 5,198.0億円 | 10,295.1億円 | 4,003.1億円 |
デジタル庁は2026年3月、全府省庁の約18万人の政府職員を対象とした「源内」の大規模実証を、2026年5月から2027年3月までの予定で実施すると公表しています。2027年度に実証結果を踏まえて本格利用を始めるとし、ソースコードのオープンソース化も検討中としています。
デジタル庁の標準化のページでは、7月以降、データ要件・連携要件標準仕様書の改定スケジュール(8月20日)と、標準仕様書等の管理方針(9月30日)の資料が更新されています。移行状況の数値は、6月30日に更新された資料(2026年3月末時点)が最新です。
内閣官房国家サイバー統括室の中間とりまとめでは、政府機関等は原則として2035年を目処にPQCへ移行するとし、2026年度中に工程表を策定する予定としています。本レポート作成時点で、工程表の策定を公表した一次資料は確認できませんでした。
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 官民投資額(想定) | 7.4兆円(2035年度まで) | 官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月) |
| 経済波及効果(想定) | 10.9兆円(2035年度まで) | 同上 |
| GSSユーザー | 2031年度までに27万ユーザー(政策目標として示されている値) | 素案(2026年3月) |
| ガバメントクラウド利用システム数 | 2030年度末までに2倍(政策目標として示されている値) | 同上 |
| デジタル庁 要求額 | 1兆295億円(2027年度、前年度比+30.5%)、うち投資枠4,003億円 | デジタル庁(2026年8月) |
| 運用最適化支援事業 | 補助対象経費950億円(国費475億円) | 同上 |
| 自治体標準化の移行対象 | 34,366システム、うち特定移行支援10,013 | デジタル庁(2026年3月末時点) |
| 源内の大規模実証 | 約18万人対象、2026年5月〜2027年3月 | デジタル庁(2026年3月) |
本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。概算要求額は要求段階の金額であり、予算額として確定したものではありません。データ基準時点は2026年10月です。