// ANALYST NOTE
グリーン鉄分野は「高炉改修時期」という物理的タイムリミットが投資判断を迫る。JFEスチールは2027年に改修時期を迎える倉敷高炉の代替として革新電炉への転換を2025年3月に機関決定し、2027年度中の稼働を目指す。日本製鉄は2026年から東日本製鉄所君津地区の第二高炉での水素系ガス吹込み技術の実証試験を開始する準備を進めており、2024年12月にはSuper COURSE50試験高炉でCO2削減率43%を達成した(経産省、2025年4月)。GI基金「製鉄プロセスにおける水素活用」事業(国費負担上限4,499億円)を通じて日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所・JRCMのコンソーシアムが高炉水素還元・水素直接還元・大型電炉の3技術を複線的に開発中だ。「どの技術が優位か今は言えない」(JFEスチール北野社長)という現状は、技術の不確実性とともに、複線的アプローチの合理性も示している。
CO2削減率43%
日本製鉄 試験高炉(2024年12月)
Super COURSE50試験高炉で高温水素の直接吹込みによりCO2削減率43%を実現(経産省、2025年4月)
2025年3月
JFEスチール 革新電炉決定
倉敷高炉の代替として革新電気炉へのプロセス転換を機関決定。2027年度中の稼働を目指す
4,499億円
GI基金 水素製鉄事業
「製鉄プロセスにおける水素活用」事業の国費負担上限額。日本鉄鋼3社+JRCMのコンソーシアム
産業部門の約4割
鉄鋼業のCO2排出量
国内産業部門の中で最もCO2排出量が多い産業。業界全体で2050年CNに向け10兆円規模の投資が必要とされる
直近2ヶ月の重要動向(2026年4〜5月)
// 官の動き
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経産省製造産業局金属課「鉄鋼業のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について」(令和7年4月16日)を公表。日本製鉄・JFEスチールの技術開発進捗をモニタリング
経産省 2025.4
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GI基金「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクト:国費負担額の上限を約4,499億円に設定。日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所・JRCMの4者コンソーシアムが進行中
経産省 2025.4
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「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」:JFEスチールの革新電気炉へのプロセス転換を採択
NEDO/METI
// 民の動き
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日本製鉄(2026年3月24日)
:GX取組み状況を公表。スクラップ+電炉・高炉水素還元+CCUS・水素直接還元+電炉という複線的アプローチを採用。マスバランス方式グリーン鋼材「Zebbies™ Advanced」の輸出を推進
日本製鉄 2026.3
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JFEスチール:マスバランス方式グリーン鋼材「JGreeX®」を2023年度から販売開始。造船・建築・変圧器等にCO2削減価値を上乗せしたプレミアム価格で販売。国内海運8社に採用済み
JFEスチール
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神戸製鋼所:ミドレックス技術(天然ガス→水素への切替を前提とした直接還元炉)を中心に据えた脱炭素戦略を展開
各種報道
主要プレイヤー×技術アプローチマップ
| 企業 |
技術アプローチ |
直近動向 |
| 日本製鉄 |
①スクラップ+電炉(移行期)②高炉水素還元+CCUS(中期)③水素直接還元+電炉(長期)の複線アプローチ |
2026年から君津第二高炉で水素吹込み実証試験。2024年12月にCO2削減率43%達成。グリーン鋼材「Zebbies™ Advanced」輸出推進 |
| JFEスチール |
カーボンリサイクル高炉(CR高炉)+大型革新電炉。倉敷電炉は2027年度中稼働目標 |
2025年3月に革新電気炉への機関決定。「JGreeX®」を2023年度から販売開始。国内海運8社に採用済み |
| 神戸製鋼所 |
ミドレックス(直接還元炉)技術を中核に据えた水素直接還元+電炉 |
20t電炉で通常スクラップと還元鉄の溶解試験を実施中 |
| 3社共通(GREINS) |
GI基金「製鉄プロセスにおける水素活用」コンソーシアム(GREINS) |
高炉水素還元・水素直接還元・大型電炉の3技術を並行開発。2030年までにCO2削減率30%以上の技術実装目標 |