// ANALYST NOTE
2026年現在、日本の陸上養殖は「実験フェーズを抜け出し、『超大型の商業化』と『異業種・中小による多角化』の2つの波が同時に押し寄せる大転換期」(各種報道)にある。FRDジャパンが千葉・富津市に建設中の年間3,500トンの商業プラントは2026年に操業開始し2027年に出荷開始予定で、「サーモンの陸上養殖の初の収益事例をつくる」節目となりうる。また三菱商事・マルハニチロの共同事業(年間2,500トン規模)、ピュアサーモンジャパン(三重・津市、世界最大級)なども並行して建設・計画が進んでいる。種苗面ではSmoltが2026年5月に「高温耐性サクラマス種苗×電気分解式ろ過システム」の組み合わせでカビ臭ゼロ・高成長を両立した実証結果を公表し、RASの商業化の鍵となる技術課題解消の見通しが示された。23分野の植物工場と同様に「水産物+陸上養殖システムのパッケージ展開」が戦略の核心だ。
2026年
FRDジャパン商業プラント操業開始
千葉・富津市、年間3,500トン。2027年出荷開始予定。サーモン陸上養殖初の大規模商業化の節目
2,500トン
三菱商事・マルハニチロ 共同事業
年間2,500トン規模の陸上養殖サーモン施設建設計画。大手商社・水産企業の連携による大規模参入
6世代
Smolt 選抜育種
6世代以上の選抜育種で開発した高温耐性サクラマス種苗。2026年5月にカビ臭ゼロ・高成長を実証
31兆円
世界市場規模(2040年予測)
2025年0.35兆円→2030年2.4兆円→2040年31兆円の急成長予測。植物工場(55兆円)と並ぶ巨大市場
直近2ヶ月の重要動向(2026年4〜5月)
// 官の動き
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水産庁:令和5年4月より「内水面漁業の振興に関する法律」に基づき、塩水使用や閉鎖循環式等の陸上養殖について届出制を開始。制度的な枠組みの整備が進行
水産庁
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モジュール化に向けた複数年の実証支援・種苗・飼料の研究開発/生産拠点の整備・ファイナンス支援等が継続中
ロードマップ素案 2026.3
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「養殖業成長産業化総合戦略(令和3年7月)」:新魚種・新養殖システムの推進として陸上養殖の研究開発を支援継続
水産庁 2021.7
// 民の動き
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FRDジャパン(千葉・富津市):
2026年操業開始目標の年間3,500トン商業プラントを建設中。「陸上養殖初の収益事例をつくる」節目。実証プラント(30トン/年)ではASC認証取得済み
J-Net21 2024.12
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Smolt(スタートアップ):
6世代以上の選抜育種で開発した高温耐性サクラマス種苗×電気分解式ろ過システムを組み合わせた実証でカビ臭ゼロ・高成長を両立(2026年5月公表)
Smolt 2026.5
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三菱商事・マルハニチロ:年間2,500トン規模の陸上養殖サーモン施設建設計画を発表
各種報道
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異業種参入の波:製紙会社・鉄道会社・電力会社等が自社の遊休資産(地下水・排熱・廃工場)を活用した「かけ流し式」陸上養殖に参入する事例が急増
各種報道 2026
主要プレイヤーマップ
| 方式・魚種 |
主要プレイヤー |
直近動向 |
| RAS大規模(サーモン) |
FRDジャパン、ピュアサーモンジャパン、三菱商事・マルハニチロ |
2026年に複数の商業プラントが操業開始・建設着工フェーズへ移行 |
| RAS種苗・技術(スタートアップ) |
Smolt(高温耐性種苗)、リージョナルフィッシュ(ゲノム編集) |
Smolt:高温耐性サクラマス×電気分解式ろ過の実証成功(2026年5月) |
| かけ流し式(異業種・中小) |
製紙会社・鉄道会社・電力会社等による地域ブランド養殖 |
遊休資産(地下水・排熱)活用による低コスト参入が急増。全国100以上の地域ブランドが誕生 |
| ウナギ陸上養殖 |
水産研究・教育機構(NFRDI)等 |
完全養殖技術の実用化を継続研究。稚魚(シラスウナギ)の人工採卵・孵化・育成の完全化が鍵 |
| ゲノム編集魚種 |
リージョナルフィッシュ(京都大学発) |
筋肉量増大のトラフグ・マダイの実用化を進める。RAS環境では外来種・育種魚の飼育も可能 |