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日本成長戦略 進捗モニタリング編 No.18|防衛産業分野

小型無人航空機、決定後の進捗(2026年7月〜10月)
国産ドローン量産で初の供給確保計画認定、防衛省は小型攻撃用UAVに363億円を要求

官民投資ロードマップで2040年度までに官民0.4兆円の投資が想定されている「小型無人航空機」。7月の決定後に行われた、経済安全保障推進法に基づく無人航空機の供給確保計画の初認定(9月1日)と、防衛省・経済産業省の2027年度概算要求までを、一次資料の事実と数値で整理します。

作成:2026-11-05 | データ基準時点:2026年10月

CHAPTER 01

ロードマップ上の位置づけと目標

「小型無人航空機」は、戦略17分野のうち防衛産業分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に官民投資ロードマップとして決定されました。なお、航空・宇宙分野には民生向けの「無人航空機」(官民投資額0.3兆円)が別の品目として置かれています。

0.4兆円
官民投資額(想定)2040年度まで
5.6兆円
経済波及効果(想定)2040年度まで
8万台
2030年時点で民生分野の機体・重要部品の供給を確保(政策目標として示されている値)
官民投資額0.4兆円には、「加えて、戦略三文書の改定に伴う投資額も今後見込まれる」との注記があります。経済波及効果は品目間で重複があるため合算できないとされています。

現状認識(素案)

  • 国産の小型無人航空機は官民ともに需要を獲得できておらず、構成品やソフトウェアを含め本格的な量産体制が整っていないとされています。単価も高額な傾向としています。
  • 特定国が世界市場シェアの7割以上を占め、製造に必要な重要構成品の多くを特定国からの供給に依存しているとしています。
  • ロシアによるウクライナ侵攻では、双方が安価なドローンを消耗品として数百万機規模で使用しているとし、小型無人航空機を「新しい戦い方」を支える重要な装備品と位置づけています。
  • 民生分野の機体の世界市場は2024年の約1兆円から2030年に約1.5兆円、日本市場は約1,100億円から約2,700億円への伸びが予測されているとしています。
  • 自律性や群制御、飛行管制のためのAI・ソフトウェアで各国が競争しており、日本はソフトウェアの開発力が不十分としています。

素案で示された勝ち筋と政策手段

防衛調達を民生市場での競争力強化につなげ、民生市場のスケールメリットで強化した生産・技術基盤を防衛に活用する「防衛と経済の好循環」を掲げています。政策手段として、①安定供給確保支援基金による機体・重要部品の量産設備投資支援、②スタートアップの技術を迅速に取り込む「ファストパス調達」、③SHIELD早期構築をはじめとする防衛調達(令和8年度予算案で約1,001億円。必ずしも国産機体を調達するものではないと注記)、などを挙げています。

日本成長戦略会議 第3回「先行して検討を進めている主要な製品技術等の官民投資ロードマップ素案」(2026年3月) 内閣官房「戦略17分野における『主要な製品・技術等』の官民投資ロードマップ 参考資料」(2026年7月)
CHAPTER 02

経済安全保障推進法の枠組み(3月の取組方針)

経済産業省は2026年3月13日、経済安全保障推進法に基づく「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」を公表しました。支援業務を行う法人にはNEDOを選定するとしています。

約8万台
2030年時点で構築を目指す国内量産基盤(政策目標として示されている値)
年1,000台程度
国内の機体生産台数(2023年時点)
9割以上
国内の産業用機体に占める海外製の割合
  • 航空法に基づく無人航空機の登録機体数は、2025年4月末時点で45万機以上とされています。
  • 量産の目安として、2030年時点で年間1万台以上の完成機の生産体制を示しています。
  • 2030年の市場規模は、国内1兆円、グローバル約8.1兆円としています。
取組方針の市場規模(国内1兆円・グローバル約8.1兆円)は、素案の民生機体市場の予測(世界約1.5兆円・日本約2,700億円)と対象範囲が異なる数値です。
経済産業省「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」(2026年3月13日)
CHAPTER 03

供給確保計画の初認定(9月1日)

経済産業省の無人航空機の政策ページには、特定重要物資「無人航空機」の供給確保計画の認定一覧として、次の1件が掲載されています。

事業者取組内容助成上限額認定日
株式会社Prodrone無人航空機の量産のための研究開発及び生産能力向上のための設備投資15億円2026年9月1日

同社の9月2日の発表では、計画上の生産能力を2029年3月時点で年間5万8,000機としています。

生産能力の数値は事業者の発表によるもので、経済産業省の認定一覧には記載されていません。表は横にスクロールできます。
経済産業省「無人航空機」政策ページ(供給確保計画の認定一覧) 株式会社Prodrone 発表(2026年9月2日)
CHAPTER 04

2027年度概算要求(防衛省・経済産業省)

防衛省の「防衛力の変革に向けた予算-令和9年度概算要求の概要-」は、「新しい戦い方」への対応を柱の一つに掲げ、「世界一無人アセットを駆使する組織」への変革を目指すとしています。防衛力整備計画対象経費は歳出ベースで約9兆円です。無人機に関する主な事業は次のとおりです。

事業(防衛省)2027年度要求額
小型攻撃用UAVの取得363億円+事項要求
目標情報収集用無人機の取得113億円
UAV(中域用)VTOL型の取得87億円+事項要求
迎撃UAVの取得76億円+事項要求
艦載型UAV(小型)の取得36億円+事項要求
ドローン対処器材の導入38億円+事項要求
滞空型UAV「MQ-9B」の取得(17機)2,922億円+事項要求
防衛装備品の生産基盤強化のための体制整備事業539億円
  • 低コストな攻撃用UAVの開発について、「安価で短期間に大量生産可能な」との記載があります。
  • スタートアップ関連では、「ディフェンステックSBIR制度(仮称)」や政府出資金が事項要求とされ、「アジャイル型調達」が挙げられています。

経済産業省の概算要求等概要では、防衛産業の項目で「無人航空機をはじめとするデュアルユース技術・生産基盤」に取り組むとしており、「デュアルユースの生産・技術基盤強化に向けた新規参入環境整備事業」2億円が「強く豊かな日本」投資枠に計上されています。

防衛省資料には無人アセット全体の合計額や、小型無人機の国内生産に限った金額は示されていません。「SHIELD」「ファストパス調達」という表記も同資料では確認できませんでした。MQ-9Bは小型無人航空機ではありませんが、無人機の要求規模を示す参考として掲載しています。概算要求は要求段階の金額です。
防衛省「防衛力の変革に向けた予算-令和9年度概算要求の概要-」(2026年8月) 経済産業省「令和9年度 経済産業省関係 概算要求等概要」(2026年8月)
CHAPTER 05

数値の整理と今後の確認ポイント

指標数値出典・時点
官民投資額(想定)0.4兆円(2040年度まで、戦略三文書改定に伴う投資額は別途)官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月)
経済波及効果(想定)5.6兆円(2040年度まで)同上
供給目標2030年時点で8万台(政策目標として示されている値)素案(2026年3月)・取組方針(2026年3月)
国内の機体生産台数年1,000台程度(2023年時点)取組方針(2026年3月)
供給確保計画の認定1件(Prodrone、助成上限15億円、9月1日)経済産業省
小型攻撃用UAVの取得363億円+事項要求(2027年度要求)防衛省(2026年8月)
新規参入環境整備事業2億円(2027年度要求・投資枠)経済産業省(2026年8月)

今後の確認ポイント

  • 無人航空機の供給確保計画の追加認定の有無
  • 戦略三文書の改定と、それに伴う小型無人航空機の取得方針・投資額
  • 年末の2027年度政府予算案での小型攻撃用UAVなどの予算額と、事項要求の扱い
  • 年末に策定される日本成長戦略実行計画での位置づけと、2027年春のロードマップ改訂
📌

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免責事項

本レポートは就職・転職および投資判断の参考情報として作成されたものであり、特定の投資・転職行動を推奨するものではありません。掲載データは各記載出典(政府・省庁の公表資料)に基づきますが、数値の正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は自己責任において行ってください。本レポートの内容は作成時点の情報に基づいており、予算編成・政策変更等により実態が変化する可能性があります。概算要求額は要求段階の金額であり、予算額として確定したものではありません。企業名は政府の公表資料に記載された事実として掲載したもので、個別企業に関する投資推奨は一切含みません。データ基準時点は2026年10月です。

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