官民投資ロードマップで2040年度までに官民0.4兆円の投資が想定されている「小型無人航空機」。7月の決定後に行われた、経済安全保障推進法に基づく無人航空機の供給確保計画の初認定(9月1日)と、防衛省・経済産業省の2027年度概算要求までを、一次資料の事実と数値で整理します。
「小型無人航空機」は、戦略17分野のうち防衛産業分野の「主要な製品・技術等」です。2026年3月の素案で先行して検討が進められ、7月21日に官民投資ロードマップとして決定されました。なお、航空・宇宙分野には民生向けの「無人航空機」(官民投資額0.3兆円)が別の品目として置かれています。
防衛調達を民生市場での競争力強化につなげ、民生市場のスケールメリットで強化した生産・技術基盤を防衛に活用する「防衛と経済の好循環」を掲げています。政策手段として、①安定供給確保支援基金による機体・重要部品の量産設備投資支援、②スタートアップの技術を迅速に取り込む「ファストパス調達」、③SHIELD早期構築をはじめとする防衛調達(令和8年度予算案で約1,001億円。必ずしも国産機体を調達するものではないと注記)、などを挙げています。
経済産業省は2026年3月13日、経済安全保障推進法に基づく「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針」を公表しました。支援業務を行う法人にはNEDOを選定するとしています。
経済産業省の無人航空機の政策ページには、特定重要物資「無人航空機」の供給確保計画の認定一覧として、次の1件が掲載されています。
| 事業者 | 取組内容 | 助成上限額 | 認定日 |
|---|---|---|---|
| 株式会社Prodrone | 無人航空機の量産のための研究開発及び生産能力向上のための設備投資 | 15億円 | 2026年9月1日 |
同社の9月2日の発表では、計画上の生産能力を2029年3月時点で年間5万8,000機としています。
防衛省の「防衛力の変革に向けた予算-令和9年度概算要求の概要-」は、「新しい戦い方」への対応を柱の一つに掲げ、「世界一無人アセットを駆使する組織」への変革を目指すとしています。防衛力整備計画対象経費は歳出ベースで約9兆円です。無人機に関する主な事業は次のとおりです。
| 事業(防衛省) | 2027年度要求額 |
|---|---|
| 小型攻撃用UAVの取得 | 363億円+事項要求 |
| 目標情報収集用無人機の取得 | 113億円 |
| UAV(中域用)VTOL型の取得 | 87億円+事項要求 |
| 迎撃UAVの取得 | 76億円+事項要求 |
| 艦載型UAV(小型)の取得 | 36億円+事項要求 |
| ドローン対処器材の導入 | 38億円+事項要求 |
| 滞空型UAV「MQ-9B」の取得(17機) | 2,922億円+事項要求 |
| 防衛装備品の生産基盤強化のための体制整備事業 | 539億円 |
経済産業省の概算要求等概要では、防衛産業の項目で「無人航空機をはじめとするデュアルユース技術・生産基盤」に取り組むとしており、「デュアルユースの生産・技術基盤強化に向けた新規参入環境整備事業」2億円が「強く豊かな日本」投資枠に計上されています。
| 指標 | 数値 | 出典・時点 |
|---|---|---|
| 官民投資額(想定) | 0.4兆円(2040年度まで、戦略三文書改定に伴う投資額は別途) | 官民投資ロードマップ参考資料(2026年7月) |
| 経済波及効果(想定) | 5.6兆円(2040年度まで) | 同上 |
| 供給目標 | 2030年時点で8万台(政策目標として示されている値) | 素案(2026年3月)・取組方針(2026年3月) |
| 国内の機体生産台数 | 年1,000台程度(2023年時点) | 取組方針(2026年3月) |
| 供給確保計画の認定 | 1件(Prodrone、助成上限15億円、9月1日) | 経済産業省 |
| 小型攻撃用UAVの取得 | 363億円+事項要求(2027年度要求) | 防衛省(2026年8月) |
| 新規参入環境整備事業 | 2億円(2027年度要求・投資枠) | 経済産業省(2026年8月) |
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