片山大臣が進める「日本版DOGE」とは?
2025年11月、日本政府は 「租税特別措置(租特)や補助金、高額補助金、基金を含む"公的支出全体"の総点検」 を行う新組織
「租税特別措置・補助金見直し担当室」 を設置しました。
これは、アメリカのバイデン政権が掲げた
「DOGE(Department of Government Efficiency:政府効率化省)」構想 に基づき、
メディアやSNSでは "日本版 DOGE" と呼ばれています。
アメリカ版DOGEは、効果の薄れた レガシー・プログラムを廃止・改善し、財政を効率化する ことが目的で、
日本版DOGEも同じく「古い政策を棚卸しし、資源を再配分する」思想が根底にあります。
租税特別措置(租特)とは?
租税特別措置(租特) とは、特定の政策目的(例:省エネ投資促進、研究開発支援など)のために
期間限定で税負担を軽減する優遇措置 のことです。
本来「時限的」に導入されるべきものですが、
政策効果が薄れた後も延長され続けるケース が多く、財政のゆがみとして問題視されています。
そのため、租特は"見直しの優先対象"になりやすい政策領域です。
日本版DOGEの目的
- 政策効果が薄い税制優遇や補助金を見直す
- 財政の無駄を削減する
- 公平な税体系に近づける
- "過去の制度"を現在の経済・産業構造に合わせて再設計する
つまり、
「必要なところに資源を回し、不必要な支出を減らす」
という大規模な構造改革の入り口と言えます。
具体的に何をする組織なのか?
■ 1. 対象範囲は"ほぼ全部"
片山大臣は以下の全てを対象に「総点検する」と明言。
- 租税特別措置(租特)
- 補助金(中小企業、自治体向け等)
- 高額補助金(大型プロジェクト等)
- 政府出資の基金
- 投資ファンド的な公的支援
過去の制度が「今も本当に必要か?」をゼロベースで再評価する姿勢が特徴です。
■ 2. 約30名規模、省庁横断で運営
財務省の主税局・主計局を中心に、
総務省、経産省など複数省庁から人員を集めた 約30名規模 の体制。
■ 3. 国民からの意見募集も導入
SNSなどを通じ、
「どの減税・補助金が不要だと思うか?」
という国民の声も反映する取り組みを予定。
密室型ではなく"開かれたガバナンス"を目指す動きと言えます。
何が"確定"で何が"未確定"なのか?
■ 確定事項(2025年11月時点)
- 組織は11月25日に正式発足
- 租特・補助金等の「総点検」を行う
- 国民からの意見募集を導入
- 初会合は設立直後に開催予定
■ 未確定事項
- どの制度を、いつ、どれだけ削減するか
- 削減の「目標額」や「比率」
- 点検優先順位や評価基準
- 廃止した財源の再配分先
今後の議論次第で大きく変わるため、引き続き注視が必要です。
背景にある問題意識
■ 1. 日本の財政悪化(構造的問題)
- 社会保障費の増加
- 税収を超える支出
- 世界最大級の国債残高
優遇措置・補助金の積み上げにより、
「必要性が薄れても延長され続ける制度」が増えている点が課題。
■ 2. 産業構造・社会構造の変化
1990〜2000年代に作られた制度が、
今の経済環境では効果を生みにくいケースが多い。
例)縮小産業向け補助金、現在の政策目的に合わない租特など
今後のスケジュール
2025年11〜12月
- 点検対象の範囲を確定
- 初期議論スタート
2026年以降
- 点検結果を 税制改正・予算編成に反映
本格的な制度廃止は2026年度後半〜が有力とみられます。
今後の注目ポイント
- どの制度が「縮小/廃止」対象になるか
- 国民の声がどれほど反映されるか
- 地方経済・中小企業への影響
- 地方交付金など、自治体財源への影響
- 削減された財源の再分配先
地方自治体は国の交付金に大きく依存しているため、
点検が地方行政に与える影響は極めて大きい と考えられます。
まとめ
日本版DOGEは、
"日本の税金の使い方を抜本的に見直す改革" の第一歩です。
まだ詳細は未確定ですが、
税制優遇・補助金・基金など、国民生活に直結する領域に踏み込むため、
今後の議論が日本の財政と地方経済に大きな影響を与える可能性があります。
出典
- Bloomberg
- nippon.com
- FNNプライムニュース
- Reuters
- 財務省会見資料