業界分析|植物工場(内部環境編)
本記事は、戦略17分野・先行検討技術【23】である 植物工場の内部環境を整理した導線記事です。
外部環境編では、 植物工場が気候変動耐性、食料安全保障、 定時・定量・定価格・定品質の農産物供給と 結びつくことを確認しました。
内部環境編では、 その外部圧力が企業内部の
- 収益構造
- 人材市場
- 投資回収
- プレイヤー構造
- 忙しさ
- 利益率
にどう現れるかを整理します。
主要KPI
- 植物工場システム世界市場規模:2025年 1.5兆円
- 同市場規模:2030年 4.9兆円
- 同市場規模:2040年 55兆円
- 政策目標:2040年にかけて国内外市場シェア3割
- 日本の植物工場で赤字とされる比率:6割
- 商業栽培品目:葉菜類等が中心
- 人材課題:栽培データ分析、栽培技術開発、農業と工業の両方の知見を持つ人材
内部環境の要点
植物工場は、農産物販売だけで成立する産業ではありません。
内部環境を見ると、 以下の要素が同時に動いています。
- 農産物販売
- 植物工場プラント
- 生産資材
- 栽培データ
- 運営ノウハウ
- 設備保守
- 小売・外食向け安定供給
政府資料が重視するのは、 農産物そのものではなく、 運営ノウハウ等もパッケージにした 植物工場システムです。
収益構造の難しさ
植物工場の収益構造は、 市場成長だけでは説明できません。
農産物販売では、 売上は日々の出荷で積み上がります。
一方で、 設備投資、照明、空調、水循環、制御システム、 人件費、保守費は継続的に発生します。
そのため、 光熱費、初期投資負担、人材不足、長期回収構造が 利益率を圧迫します。
人材市場の特徴
植物工場に必要な人材は、 一般的な農作業人材だけではありません。
政府資料では、 蓄積した栽培データ等の分析、 新たな栽培技術の開発、 工場マネジメントに不可欠な農業と工業の両方の知見、 専門人材だけでなくパートを含む労働力不足が課題とされています。
つまり、植物工場は 農業、製造業、データ運用、設備保守が重なる人材市場です。
日本の勝ち筋
日本の勝ち筋は、 農産物単体の価格競争ではありません。
政府資料では、 世界初のモジュール型の完全閉鎖型植物工場開発等の技術面での強みを活かし、 運営ノウハウ等もパッケージにした植物工場システムを 国内導入・輸出する方向性が示されています。
日本が取りに行こうとしている領域は、
- 技術優位
- 運営ノウハウ
- 品質管理能力
- パッケージ輸出
- サプライチェーン優位
です。
完全版レポートを読む
完全版HTMLでは、 0章〜11章構成で、 収益構造、人材市場、投資回収、プレイヤー構造、 利益率、サプライチェーン、日本の勝ち筋を整理しています。
次回は、フードテック分野の次テーマ 「陸上養殖(外部環境編)」を扱います。
出典
- 日本成長戦略会議 第3回「戦略17分野における主要な製品・技術等」
- 日本成長戦略会議 第3回「先行して検討を進めている主要な製品技術等の官民投資ロードマップ素案」
- 農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」
本記事は業界構造の理解を目的とした情報提供です。 投資判断、転職判断、事業参入、キャリア選択を推奨するものではありません。