久保田とは — 新潟が生んだ"淡麗辛口"の代名詞
「久保田」は、新潟県長岡市にある 朝日酒造 が手掛けるブランド。
1985年に発売され、当時の日本酒業界に革命をもたらしました。
それまでの「濃醇で甘口」寄りの日本酒とは一線を画す、
スッキリとした淡麗辛口スタイル。
この味わいは時代のニーズと合致し、一躍大ヒットを記録しました。
発売から40年近く経った今でも、日本酒入門からベテランまで幅広く支持され、
「日本酒といえば久保田」と答える人も少なくありません。
蔵元紹介 — 朝日酒造の哲学
朝日酒造は1830年創業。
新潟・越路の清冽な水と、地元契約農家が育てる酒米を活かし、
「品質第一・地域と共生」 を理念に酒造りを続けています。
昭和期には地元銘柄「朝日山」で知られていましたが、
時代の嗜好の変化を敏感に捉え、1980年代に「久保田」を誕生させました。
「伝統を守りながら革新を続ける」姿勢は、
最新の設備投資と杜氏の技の融合にも表れています。
製造のこだわり
- 使用米:五百万石・新潟県産米など
- 精米歩合:50%〜65%(シリーズによって異なる)
- 醸造:低温長期発酵で、雑味を抑えたクリアな味わい
- 仕上げ:瓶貯蔵や火入れ管理を徹底し、安定した品質を実現
この徹底管理により、どのロットを飲んでも安定感があるのが「久保田」の強みです。
味わいと香りの特徴
「淡麗辛口」を代表するだけあって、
久保田は 軽やかでキレのある飲み口 が最大の魅力です。
- 香り:控えめで上品、フルーティーさより米の清らかさ
- 味わい:スッキリ辛口、余韻は短めで食事を引き立てる
- 初心者〜通向け:飲みやすさから入門酒に最適、一方で「萬寿」は通好みの深み
シリーズ紹介
久保田は「グレードの多彩さ」も大きな魅力。
- 萬寿(まんじゅ):最高峰。純米大吟醸、華やかで重層的。ギフトに最適。
- 碧寿(へきじゅ):山廃純米大吟醸。酸味と厚みが特徴。
- 翠寿(すいじゅ):生酒タイプ。爽やかで夏に合う。
- 紅寿(こうじゅ):純米吟醸。柔らかで上品。
- 千寿(せんじゅ):吟醸酒。食中酒に万能。
- 百寿(ひゃくじゅ):本醸造。日常酒に向くベーシックな一本。
こんな人におすすめ
- 初心者:千寿や百寿は軽快で飲みやすい
- 日本酒好きな通:萬寿や碧寿は香り・深みを堪能できる
- 人に自慢したい人:希少な翠寿や限定品は話題性あり
ペアリング提案
和食
寿司や天ぷら、焼き魚と抜群に合う。
特に「千寿」は刺身との相性が鉄板です。

洋食
チーズやカルパッチョ、バターを使った料理とも好相性。
「碧寿」の酸味は、ブルーチーズや生ハムを引き立てます。

ギフト適性
- 萬寿:高級感があり、お歳暮・父の日に最適
- 紅寿・碧寿:ワイン好きにも響く味わいで、洋酒派への贈り物に
- 千寿:手頃な価格で日常ギフトや引き出物に人気
海外展開・トレンド
久保田はすでにアジア・欧米へ輸出され、
「食事に寄り添う日本酒」として和食レストランで高評価を得ています。
特に ニューヨークやパリの和食店 では千寿が定番、
萬寿はギフト・高級ディナー用に扱われることが多いです。
入手方法と価格帯
- 百寿・千寿:1800円〜3000円前後(720ml)
- 紅寿・碧寿:3000円〜5000円前後
- 萬寿:8000円〜1万5000円前後(ギフト仕様)
まとめ
久保田は「淡麗辛口」の代名詞であり、
初心者から上級者まで幅広く楽しめる万能ブランドです。
シリーズの豊富さは「日常酒から特別な一本まで」網羅。
食中酒としても、ギフトとしても外さない存在といえます。