🍶 石川県・白山の地で受け継がれる「山廃仕込み」の魂

「天狗舞（てんぐまい）」は、
石川県白山市の老舗・車多酒造 が醸す日本酒です。
創業は1823年（文政6年）。200年以上の歴史を持ち、
北陸の自然とともに歩み続ける伝統蔵です。

天狗舞の象徴といえば、なんといっても 「山廃仕込み」。
その力強く複雑な旨味は、全国の酒通を魅了してやみません。

🧭 「山廃（やまはい）仕込み」とは？

「山廃」とは、
"山卸し廃止酛（やまおろしはいしもと）"の略称です。

本来、酒母造りの際に行われていた「山卸し（米をすり潰す作業）」を廃止し、
自然界の乳酸菌の力でゆっくりと酵母を育てる古式製法です。

この工程はおよそ1ヶ月を要し、
手間と時間をかけて酒母を育てることで、
複雑な旨味と深み、酸のバランスが生まれます。

天狗舞はこの「山廃造り」の象徴的存在として知られ、
"山廃の天狗舞" と呼ばれるほど、その品質は全国の蔵元の指標となっています。

✨ 味わいの特徴 ― 力強さと包容力のある旨味

天狗舞の魅力は、なんといってもその 燗映え（かんばえ）。
冷やでもおいしいのはもちろんですが、
温度を上げると、旨味が一気に開花します。

• ぬる燗（40〜45℃）：旨味がふくらみ、酸がまろやかに調和。
• 上燗（45〜50℃）：香りがふんわりと立ち上がり、余韻が豊かに。

まさに「燗酒の雄」と呼ばれるにふさわしい一本です。

冷酒では凛とした酸味とキレ、
燗ではふくよかな旨味と深み。
温度によって表情が変わるのも天狗舞の醍醐味です。

👤 こんな人におすすめ

• 温めてもおいしい日本酒を探している方
• 香りよりも旨味の深さを重視する方
• 伝統的な日本酒の味わいに惹かれる方
• 家でゆっくり晩酌する時間を大切にする方

特に「冬の夜にぬる燗で一杯」という楽しみ方が、天狗舞の真骨頂です。

🍢 和食ペアリング ― 燗で広がる、料理との調和

天狗舞は和食との相性が抜群。
特に、出汁や旨味を活かした料理と合わせると、
燗にした酒の深みがより際立ちます。

• 焼き魚：魚の脂と酸味が調和し、余韻が柔らかく続く。
• おでん：出汁の旨味を包み込み、体の芯から温まる。
• 肉じゃが：甘辛の煮汁に寄り添い、酒のコクが増す。

ぬる燗（約45℃）に温めて、
小さな猪口でゆっくりと味わうのがおすすめです。

🍽️ 洋食ペアリング ― バターやチーズに負けないコク

天狗舞の山廃仕込みは、酸と旨味がしっかりしているため、
洋食にも驚くほどよく合います。

• 鶏のバターソテー：バターのコクに旨味が負けず、全体をまとめる。
• グラタン：ホワイトソースと酸のバランスが絶妙。
• チーズリゾット：温めた天狗舞の酸がチーズの塩気を引き締める。

ワインでは強すぎる場面でも、
天狗舞ならやさしく包み込むように調和します。

💫 シリーズ紹介 ― 「舞」シリーズで広がる新しい挑戦

天狗舞のもう一つの柱が、
モダンな味わいを追求する 「舞」シリーズ です。

• 純米大吟醸 舞：山廃の精神を継ぎつつも、よりクリアで軽快な味わい。
• 天狗舞 舞 セカンド：フルーティーさと酸のバランスを追求した現代的スタイル。

このシリーズは「伝統 × 革新」の象徴であり、
若い世代や海外のファンからも高く評価されています。

🎁 ギフト適性 ― 贈る人の温もりを伝える酒

天狗舞は「贈る酒」としても人気が高く、
冬の贈答シーズンには特に好まれます。

重厚な瓶と品格あるラベルデザインは、
年末年始の贈り物や、長寿祝いなどにも最適です。

温めておいしい日本酒は、どんな季節でも"心が温まる贈り物"になります。

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出典

車多酒造公式サイト／日本酒スタイルブック／dancyu「燗酒特集」／日本の銘酒大全