日本茶の世界へようこそ 🍵
一口に「日本茶」といっても、その種類は多彩です。
煎茶、玉露、抹茶、ほうじ茶——同じ茶葉から生まれながら、
香りも味わいもまったく異なる個性を持っています。
この記事では、日本茶の基本となる4種類をわかりやすく解説します。
お茶をより深く楽しみたい方の入門編としてぜひお読みください。
煎茶（せんちゃ）｜日本人に最も親しまれる王道の味
煎茶は、日本茶の中で最も一般的な種類。
全国で生産され、日常的に飲まれている緑茶です。
特徴
- 生葉を蒸して発酵を止め、揉みながら乾燥させる
- 香りは爽やかで、ほどよい渋みと甘みのバランス
- 一番茶（春摘み）は旨味が強く、二番茶・三番茶は香ばしさが増す
💡 淹れ方のコツ
お湯の温度を**70〜80℃**にして、約1分蒸らすとまろやかな味わいに。
玉露（ぎょくろ）｜旨味の頂点に立つ高級茶
玉露は「覆下栽培」と呼ばれる方法で日光を遮り、
テアニン（旨味成分）をたっぷり蓄えた高級茶です。
特徴
- 日光を20日ほど遮って栽培
- 渋味が少なく、濃厚な甘みと旨味が際立つ
- 緑が深く、香りは「海苔のよう」とも言われるまろやかさ
💡 淹れ方のコツ
お湯は**50〜60℃**と低めに。2分ほどかけてゆっくり抽出すると、
「とろみ」のある旨味が引き立ちます。
抹茶（まっちゃ）｜点てて味わう日本文化の象徴
抹茶は、碾茶（てんちゃ）と呼ばれる葉を石臼で粉末にしたもの。
茶道のイメージが強いですが、最近ではスイーツやラテとしても人気です。
特徴
- 茶葉全体を摂取できるため、栄養価が高い
- 濃厚な旨味とわずかな苦味が特徴
- 鮮やかな緑色と泡立ちの美しさが魅力
💡 楽しみ方のコツ
お湯（約80℃）を少しずつ注ぎながら茶筅で泡立てると、
まろやかな口当たりになります。
ほうじ茶（ほうじちゃ）｜香ばしくやさしい癒しの味
煎茶や番茶を強火で炒って作るお茶で、
カフェインが少なく、リラックス効果が高いのが特徴です。
特徴
- 香ばしい香りとすっきりした味わい
- 子どもやお年寄りにも飲みやすい
- 食後や寝る前にもぴったり
💡 淹れ方のコツ
熱湯（90〜100℃）でサッと淹れると、香ばしさが引き立ちます。
まとめ｜4種の日本茶、それぞれの個性を楽しもう
- 煎茶：バランスの取れた王道
- 玉露：旨味の極致
- 抹茶：濃厚で贅沢
- ほうじ茶：香ばしくやさしい
同じ茶葉から生まれても、製法が変われば味も香りも別世界。
その違いを知ることで、お茶の時間がより深く、豊かになります。
出典
- 日本茶業中央会『日本茶の種類と製法』
- 農研機構「覆下栽培と成分変化」
- 京都府茶業研究所『煎茶と玉露の比較研究』
- 日本茶インストラクター協会 教材資料
次回予告：「煎茶とは｜日本で最も親しまれるお茶の王道」
次回はシリーズ第2回として、
日本人に最も親しまれている「煎茶」の魅力を、
産地・製法・味の観点から詳しく紹介します。
