序章:伊勢神宮に認められた、伊勢茶の最高峰
日本三大銘茶の一つに数えられる「伊勢茶」の地、三重県伊勢松阪。
この地で、明治20年(1887年)に創業した「老松園(おいしょうえん)」を源流とし、その銘茶を販売する「芳翠園(ほうすいえん)」は、他の追随を許さない圧倒的な格式を誇ります。
芳翠園が持つ最大の特徴は、**「神宮司庁御用達」**の銘茶を製造・販売する唯一の茶所であるという点です。
これは、伊勢神宮の祭祀や運営を担う神宮司庁に、芳翠園(老松園)が献上品として長きにわたり選ばれ続けている、最高の名誉と信頼の証です。
同社の茶葉は、京都・静岡の茶とは一線を画し、深いコクと濃厚な旨味を追求した**「超深蒸し製法」**と、看板商品である「名人憲太郎」シリーズに集約されています。
本記事では、その格式と技術の深部に迫ります。
芳翠園の歴史と「神宮司庁御用達」の格式
創業から「老松園」の伝統へ
老松園は、明治20年(1887年)に伊勢松阪の地で創業しました。
伊勢地方は茶栽培が古くから盛んで、気候・土壌ともに茶樹の生育に適しており、「伊勢茶」として独自の地位を築いてきました。
老松園は、この地の伝統的な製茶技術を継承しつつ、常に品質向上を追求する茶園として発展しました。
その後、老松園の銘茶を東京をはじめ全国に広めるために、1954年に販売会社として株式会社芳翠園が設立されました。
唯一無二の称号:「神宮司庁御用達」
芳翠園(および老松園)が他の茶舗と一線を画す最大の理由は、
神宮司庁に献上される御用達銘茶を製造・販売している唯一の茶所であるという点です。
「御用達」とは、単に献上したという事実だけではなく、
長きにわたり変わらぬ高品質と格式を保ち続け、神宮司庁の厳格な基準を満たしてきたという、絶大な信頼の証です。
この称号が意味するのは、芳翠園の茶が持つ品質・製法・そして品格が、
日本の精神的支柱である伊勢神宮に相応しいものであるということです。
創業者二代目の功績と「名人憲太郎」の誕生
芳翠園の品質を大きく高めた功労者の一人が、二代目社長を務めた 杉本憲太郎 氏です。
憲太郎氏は茶業界において数々の褒章を受章し、その卓越した製茶技術と茶葉への深い洞察力は「茶匠」として広く知られています。
芳翠園の看板商品である 「名人憲太郎」シリーズ は、彼の名を冠したもの。
これは、憲太郎氏が理想とする「甘く、濃く、深い旨味」を持つ茶を具現化したものであり、芳翠園の哲学そのものを体現しています。
芳翠園の技術:濃厚な旨味を生む「超深蒸し製法」
京都の宇治茶が「香り」や「繊細な渋み」を重視する傾向にあるのに対し、
芳翠園が追求するのは、**「濃厚な旨味とコク」**です。
これを実現するのが、伊勢茶の伝統と名人憲太郎氏の技術が融合した「超深蒸し製法」です。
深蒸し製法の原理と効果
- 茶葉を通常よりも長時間蒸すことで、
茶葉の芯まで蒸気熱が届き、組織が破れやすくなる。 - 渋み成分(カテキン)の抽出が抑えられ、
**旨味成分(テアニン)**や健康成分がより溶出しやすくなる。 - 水色(すいしょく)は濃い緑色を呈し、にごりを含んだ鮮やかな色合いになる。
芳翠園の「超深蒸し製法」は、一般的な深蒸し茶よりもさらに深く蒸し込むことで、
青臭みや渋みを極限まで抑え、**「とろりとした深いコク」と「まろやかな甘み」**を最大限に引き出すことに成功しています。
また、製茶後の一番茶のみを使用するという、厳格な品質基準も併せ持っています。
一番茶(新茶)のみへのこだわり
芳翠園は、最高級茶に 一番茶(新茶) のみを使用するというルールを設けています。
一番茶は、冬の間に養分を蓄えた茶樹から最初に摘まれた新芽を含むため、
旨味成分であるテアニンが最も凝縮されています。
二番茶以降の葉は味や香りが淡くなる傾向があるため、芳翠園はこの一番茶の持つ生命力あふれる風味を製品に反映させることにこだわっています。
伊勢茶のテロワール(風土)
芳翠園の茶葉が育つ伊勢松阪周辺は、温暖で昼夜の寒暖差があり、霧が発生しやすい地形です。
この気候条件が、茶葉の旨味成分であるテアニンをより多く蓄積させるのに理想的であり、
**伊勢茶ならではの「力強いコク」**の源泉となっています。
主力製品:「名人憲太郎」シリーズの極み
芳翠園の製品群は、その格式と品質を象徴する「名人憲太郎」シリーズを中心に展開されています。
煎茶 名人憲太郎:看板の極上煎茶
芳翠園の哲学が最も凝縮された、まさに 「究極の煎茶」 です。
風味の深さ:超深蒸し製法により、一見しただけで茶葉の濃さが伝わります。
一口含むと、喉の奥までとろりと伝わる濃厚な旨味と、ふくよかな甘みが特徴。
水色の美しさも、鮮やかな濃緑色で「緑の液体」と表現してもよいほど。
用途:大切な客人へのおもてなしや、茶葉本来の濃厚な味わいをじっくりと堪能したい時に最適です。
玉露 名人憲太郎:甘みを凝縮した逸品
玉露の濃厚な旨味をさらに深めた逸品。
製法:覆下栽培+契約農家で丁寧に育てた茶葉を厳選。
特徴:煎茶の持つ力強いコクと、玉露特有の「覆い香」(海苔のような香り)+後味に残る深い甘みが調和しています。
ほうじ茶 名人憲太郎:一番茶を贅沢に使用
一般的にほうじ茶には番茶や三番茶が用いられることが多いですが、
名人憲太郎のほうじ茶は、一番茶(新茶)の茎やじくを贅沢に使用。
風味:質の高い茎使用のため、焙煎による香ばしさの中に、上質な茶葉由来の微かな甘みと旨味が感じられます。
飲みやすさ:澄んだ飲み口と低カフェインで、時間帯を問わず家族全員で楽しめる「極上のほうじ茶」です。
現代のニーズに応える粉末茶(パウダー)
近年、芳翠園は、茶葉を丸ごと摂取できる 「粉末茶(パウダー)」 にも注力しています。
健康志向:茶葉そのものを粉末化することで、水やお湯に溶出しない脂溶性ビタミン・食物繊維・すべてのカテキン類を丸ごと摂取できます。
利便性:手軽に飲めるペン型の容器など、現代のライフスタイルに合わせた商品開発も行っています。
格式高い贈答品としての価値と淹れ方
贈答品としての「格」と信頼性
芳翠園の最大の強みは、その贈答品としての絶大な信頼性です。
- 権威:「神宮司庁御用達」という唯一無二の称号は、贈る相手に対して最高の敬意を払うことの表明になります。
- 評価:秘書が選ぶ「接待の手土産セレクション」にて複数年特選を受賞し、殿堂入りを果たしています。
- パッケージ:桐箱入りセットなど、手にした瞬間から特別感を演出する洗練されたギフトパッケージも、贈答品としての価値を高めています。
超深蒸し煎茶「名人憲太郎」の淹れ方
- 茶葉の量:1人分3 g程度(一般的な煎茶よりやや多め)。
- お湯の温度:80〜90℃(高めの温度で淹れることで、香りとコクが引き立つ)。
- 抽出時間:30秒と短め。超深蒸し茶は茶葉が細かいため、短時間で成分が十分に抽出されます。長く置くと濃くなりすぎる場合があります。
- 急須:茶葉が細かいため、網目の細かい急須を使用するのが最適です。
ほうじ茶「名人憲太郎」の淹れ方
- お湯の温度:**熱湯(100℃)**を使用し、香りを立たせます。
- 抽出時間:30秒〜1分。短めに淹れることで、香ばしさと爽快な口当たりが楽しめます。
結び:伝統と革新で未来へつなぐ伊勢茶の極み
芳翠園は、伊勢茶の伝統的な栽培と製法を継承しつつ、二代目・杉本憲太郎氏の功績である「超深蒸し製法」という革新的な技術を融合させ、唯一無二の高品質を実現しています。
その茶葉は、「神宮司庁御用達」という格式と、「名人憲太郎」という名匠の精神によって裏打ちされ、飲む人に深い安らぎと、格別の満足感をもたらします。
京都や静岡とは異なる、伊勢茶ならではの力強く、濃厚な旨味の美学を、ぜひ芳翠園の銘茶で体験してください。
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📘 出典・参考
- 老松園・芳翠園 公式サイト「私たちのこだわり」「歴史」ページ
- 楽天市場ショップ「神宮司庁御用達銘茶 芳翠園」商品説明
- 観光みえレポート「神宮司庁御用達『老松園』の日本茶で…」
- 接待の手土産特集記事「名人の煎茶シリーズ」