日本一の茶どころ、静岡の心臓部へ
日本茶といえば「静岡茶」。
その中でも特に有名なのが「掛川茶」と「牧之原茶」です。
両者はいずれも静岡県中西部に位置し、
日本茶の約4割を生産する一大産地。
この地域の茶は、濃い緑色とまろやかな旨味で知られ、
“深蒸し茶文化”を確立した発祥地でもあります。
掛川・牧之原茶の歴史と発展
明治時代初期、牧之原台地では徳川幕府の旧士族たちが茶の栽培を始めました。
広大な台地は日照時間が長く、水はけの良い土地として茶栽培に理想的でした。
一方、掛川は江戸時代から茶の産地として知られ、
伝統的な栽培技術と深蒸し製法をいち早く取り入れることで品質を高めました。
その結果、掛川・牧之原地域は
日本茶の中でも特に香り高く、コクのある深蒸し煎茶の代名詞となったのです。
深蒸し茶とは？
深蒸し茶（ふかむしちゃ）は、
通常の煎茶よりも長く（約2〜3倍）蒸す製法で作られます。
特徴
- 茶葉の形が細かく、粉状に近い
- 水色（すいしょく）は濃い緑
- 渋みが少なく、まろやかな甘味
長時間蒸すことで茶葉の組織が崩れ、
旨味成分（テアニン）や健康成分がより抽出されやすくなります。
まさに「濃く、まろやかで、香り高い」味わいが特徴。
静岡の茶文化を象徴するスタイルです。
掛川茶の特徴：コクと香りのバランス
掛川市は全国的に深蒸し茶の品質が高く評価され、
**「全国茶品評会・産地賞」**を連続受賞しています。
掛川茶の特徴は、
- 芳醇な香り
- 濃厚なコク
- 甘みと渋みの絶妙な調和
特に「コクがあるのに、後味がすっきり」と評され、
健康志向の消費者にも人気です。
掛川市では、茶業者と自治体が連携して「掛川深蒸し茶ブランド」を確立。
海外でも「Kakegawa Tea」として販売されています。
牧之原茶の特徴：日本最大の茶園から生まれる安心品質
牧之原台地は、日本最大級の茶園地帯。
広大な平地で機械化が進み、安定した品質の茶葉を大量生産できます。
牧之原茶は、
- 味が濃く、香ばしい
- 渋みが少なく、まろやか
- お湯を注いだ瞬間の香り立ちが強い
という特徴を持ちます。
生産者団体による品質管理が徹底しており、
全国のスーパーや百貨店でも「深蒸し＝牧之原」の印象が定着しています。
健康効果：深蒸し茶が注目される理由
深蒸し茶は、一般的な煎茶よりも微粉末状になっているため、
茶葉成分をより多く摂取できます。
特に以下の成分が豊富です：
- カテキン（抗酸化作用・免疫強化）
- テアニン（リラックス効果）
- ビタミンE・C（美肌・抗老化）
掛川市は実際に「深蒸し茶を飲む人の死亡率が低い」として、
疫学研究でも注目を集めています。
代表的なブランド・茶舗
- 丸山製茶：牧之原を代表する大手茶舗。輸出も盛んで全国展開。
- 小柳津清一商店（おやいづせいいち）：老舗の静岡茶専門店。深蒸しの味を極める。
- カネ十農園：牧之原台地で自然栽培を行う新世代ブランド。
それぞれが異なる哲学で深蒸し茶を進化させています。
深蒸し茶の美味しい淹れ方
- 茶葉：2〜3g（ティースプーン1杯）
- お湯の温度：80℃前後（やや高め）
- 抽出時間：30〜45秒
- 急須の最後の一滴まで注ぎきる
粉状の茶葉が多いため、
細かい茶こしの急須を使うのがおすすめです。
深い緑の水色とまろやかな旨味を存分に楽しめます。
現代に広がる静岡深蒸し茶の魅力
掛川・牧之原では、近年「お茶ツーリズム」が盛んです。
- 茶摘み体験（5〜6月）
- 茶工場見学
- 深蒸し茶カフェでのテイスティング
さらに、海外向けブランド展開や抹茶・粉末茶開発も進み、
「世界が認める静岡茶」として新しい時代を切り拓いています。
購入リンク
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出典
- 静岡県茶業会議所
- 掛川市観光協会「深蒸し茶のまち掛川」
- 農林水産省 茶業データ
- 丸山製茶 公式情報
