入門編 商業段階の特殊製薬|製薬・バイオ全17回シリーズ 第6回

Daré Bioscience(DARE)とはどんな会社? ― 女性の健康分野で「これから売れるか」を試す会社

株価・データ基準日:2026年9月18日(編集部確認時点)

Daré Bioscience(DARE)は、避妊・妊活・膣内および性の健康など、女性の健康(ウィメンズヘルス)領域に特化したバイオ医薬品会社です。 これまでは主に研究開発とパートナー企業へのライセンス収入( ロイヤルティ他社の製品や技術が売れるたびに受け取る使用料 )が中心でしたが、2026年に入り、自社で直接消費者に販売する製品を相次いで市場投入し始めた「商業化の入口」に立つ会社です。 ただし売上はまだごくわずかで、株価は2026年9月に上場来安値をつけるなど厳しい状況にあります。

1この会社は何をしている?

避妊、不妊治療、更年期、膣・性の健康といった女性特有の医療ニーズに向けた製品を開発しています。すでに 承認審査に合格し、薬として販売してよいと国に認められること 済みの薬XACIATO(細菌性膣症治療薬)は他社にライセンスし、そのロイヤルティを受け取る形をとってきました。 2026年7月には、自社で直接消費者に販売する初の製品「Flora Sync LF5」(非ホルモン性の膣内プロバイオティクスカプセル)を発売。 続いて処方薬「DARE to PLAY シルデナフィルクリーム」(性的な感度の低下に悩む女性向け)の販売も2026年第3四半期に始まる予定で、 「DARE Health Hub」という自社の販売プラットフォームを通じて、これから本格的に売り始める段階にあります。

2どのタイプの会社?

本シリーズの6分類のうち「商業段階の特殊製薬」に含まれますが、第4回・第5回の会社とは段階が異なります。AytuやBiofronteraがすでに 一定の売上規模を持つのに対し、DAREはこれまでほぼ研究開発とライセンス収入のみで、2026年にようやく自社製品の販売を始めたばかりです。 「これから売れるかどうか」を見極める、商業化の入口に立つ会社と言えます。

3ここがユニーク/4気をつける点

③ ここがユニーク

2026年7月に発売したFlora Sync LF5に続き、DARE to PLAY シルデナフィルクリームの処方受付を開始し、同四半期中の売上計上を見込んでいます。 複数の製品を自社プラットフォーム「DARE Health Hub」で同時に展開する体制を整えつつある点が特徴です。また、開発中のOvaprene (ホルモンを使わない月1回使用の避妊具)は第3相試験で良好な中間結果が得られており、 FDAアメリカで薬を承認するかどうかを審査する政府機関 が試験計画の変更を承認したことで2027年のデータ公表が前倒しされる可能性があります。政府機関(NIH傘下のNIAID)からの資金提供を 活用し、研究開発費の自己負担を抑える工夫もしています。

④ 気をつける点

一方で、2026年第2四半期の売上高はわずか18.8万ドルにとどまり、純損失は298万ドルを計上しました。手元資金は1,260万ドル (2026年6月末時点)で、総資産は2025年末の3,250万ドルから2,240万ドルへ減少しており、資金の目減りが続いています。 運転資本短期的に使える資金の余裕度を示す指標(流動資産-流動負債) は約20万ドルの赤字となっており、今後の資金調達の必要性が意識される状況です。株価は2026年9月3日に上場来安値の0.69ドルをつけるなど、 市場の評価は厳しく、新製品が実際にどれだけ売れるかが確認できるのはこれからで、期待先行の段階にあることには注意が必要です。

5数字で見るこの会社

指標数値これは何を意味するか
時価総額株価×発行済み株式数で計算する、会社の市場での大きさ 約1,370万ドル 2026年9月中旬時点。マイクロキャップの中でも特に小さい水準
株価 0.71ドル 52週レンジ0.69〜3.77ドル。9月3日に上場来安値を記録
2026年Q2売上高 18.8万ドル 主にライセンス先からのロイヤルティ・研究協力収入。自社製品販売はこれから本格化
Q2純損失 298万ドル 前年同期(約438万ドル)からは縮小
手元資金 約1,260万ドル(2026年6月30日時点) 今後の運営資金の目安
総資産 2,240万ドル(2025年末3,250万ドルから減少) 資金の目減りペースを示す指標の一つ
主力パイプライン Ovaprene 第3相試験中 データ公表目標は2027年。まだ承認されていない

数値は2026年8月13日発表の第2四半期決算資料、および2026年9月18日時点の株価情報に基づく(編集部確認)。

6次に何が起きる?

DARE to PLAY シルデナフィルクリームの処方売上が、2026年第3四半期にどの程度計上されるかが直近の焦点です。次回決算発表は2026年11月5日に予定されています。

7この記事のまとめ

Daré Bioscienceは、女性の健康領域に特化し、2026年にようやく自社製品の直接販売を始めたばかりの「商業段階の特殊製薬」会社です。 複数の新製品を同時展開する体制づくりが進む一方、売上規模はまだ小さく、資金の目減りと株価の急落という厳しい現実に直面しています。 当サイトが継続的に追跡する対象の一つであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。

用語集

ロイヤルティ
他社の製品や技術が売れるたびに受け取る使用料
承認
審査に合格し、薬として販売してよいと国に認められること
FDA
アメリカで薬を承認するかどうかを審査する政府機関
運転資本
短期的に使える資金の余裕度を示す指標(流動資産-流動負債)
時価総額
株価×発行済み株式数で計算する、会社の市場での大きさ

もっと詳しく知りたい方へ

→ 同じ「商業段階の特殊製薬」のAytu(AYTU)入門記事を読む(第4回) → 同じく「商業段階の特殊製薬」のBiofrontera(BFRI)入門記事を読む(第5回) → 製薬・バイオ17銘柄マップ記事を読む(全体像はこちら)

※この記事は、投資判断を勧めるものではありません。取り上げた銘柄は、当サイトが学習・情報提供の目的で継続的に追跡している対象であり、「おすすめの銘柄」ではありません。

※記事内の数値は、公表されている決算資料や株価情報をもとに編集部が確認・整理したものです。将来の業績や株価を保証するものではありません。「編集部試算」と記載した数値は、公表情報をもとに編集部が独自に計算したものです。

※Ovaprene・DARE-HPVなどのパイプライン製品はまだ承認されていません。承認を保証する記述はしていません。新製品の売上がどこまで伸びるかは未確定です。

投資の最終判断は、必ずご自身で行ってください。