業界分析|外部環境分析(制度・市場・マクロ)
目的:
この業界が「どんなルールの箱の中にあるか」を、数字と事実中心に理解することです。
第0章|この外部環境編の立ち位置
本レポートで「やること/やらないこと」
やること
- 変えられない前提条件を示します
- 感情ではなく事実で説明します
やらないこと
- 将来予測はしません
- 儲かる/厳しい評価はしません
- キャリア・戦略への言及はしません
👉 判断は次の資料に委ねます
第1章|市場規模と成長の実態(定量)
世界市場規模(広義)
- 2025年 世界ゲーム市場:約1,970億ドル
(前年比 +7.5%、当初予測約1,890億ドルを上回る水準)
内訳(概算)
- モバイル:約50%前後
- コンソール:約25〜30%
- PC:約20%前後
PCとモバイルが市場を牽引しています。
日本市場規模
- 2024年 国内市場:約2兆3,961億円
(前年比 +3.4%)
家庭用ハードの端境期を、モバイルとPCゲームが補う構造です。
プレイヤー人口
- 世界プレイヤー人口:約36億人
(世界人口の約45%)
過去推移
- 2014年 世界市場:約1,000億ドル規模
- 2020年:約1,600億ドル規模
- 2024年:約1,900億ドル規模
- 2025年:約1,970億ドル規模
10年単位で市場規模は拡大しています。
成長要因の分類
- デジタル配信の普及
- モバイル課金モデルの拡大
- グローバル同時発売
主要な企業
日本企業
- 任天堂
- ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- バンダイナムコエンターテインメント
- スクウェア・エニックス
- カプコン
- コナミグループ
海外企業
- Microsoft(Xbox)
- Electronic Arts
- Activision Blizzard
- Tencent
- NetEase
プラットフォーム企業とソフトウェア開発企業が混在する構造です。
第2章|制度・政策との関係性
制度ビジネスか否か
ゲーム産業は公定価格型の制度ビジネスではありません。
市場価格は企業が自由に設定します。
規制の枠組み
- CEROによる年齢区分
- 景品表示法
- 資金決済法(有料アイテム・仮想通貨)
- 各国のガチャ規制・確率表示義務
国によって規制強度が異なります。
政策との関係
政府はコンテンツ産業全体として海外展開支援を行っています。
ゲーム産業もその対象分野に含まれています。
第3章|価格決定構造と収益モデル
価格モデル
- 買切型(パッケージ)
- 基本無料+課金型(F2P)
- サブスクリプション型
- DLC型
プラットフォーム手数料とその変容
- Apple / Google:従来約30%(条件により変動)
- Steam等PCプラットフォーム:概ね30%前後
一方で、欧州DMA法などの規制により、
外部決済や独自ストアの容認が進んでいます。
PCではDirect-to-Consumer(自社販売)が拡大し、
モバイルでも外部課金導入が広がっています。
プラットフォーマーの支配力は依然として大きいものの、
ルールは部分的に書き換わりつつあります。
コスト構造
- 人件費(開発人員)
- 広告宣伝費
- サーバー運営費
AAAタイトルでは数百億円規模の開発費となるケースがあります。
※AAAタイトルとは、
大規模予算・長期開発・世界同時展開を前提とする
ハイエンド大型作品を指します。
ヒット作依存度が高い収益構造です。
第4章|人口・社会構造との関係
ユーザー人口
- 世界プレイヤー人口:約36億人
- 日本国内プレイヤー人口:約5,000万人規模
年齢層
- モバイルは幅広い年齢層
- コンソールは若年〜中年層中心
人口減少下の日本市場は横ばい傾向です。
海外市場への依存度が高い構造です。
第5章|技術・DXの位置づけ
技術革新の要素
- グラフィックエンジン高度化
- クラウドゲーム
- AIによるNPC制御
- 生成AIによるアセット制作
AIの位置づけ
2025年〜2026年にかけて、
生成AIは開発工程に広く組み込まれています。
- 3Dモデル生成
- 背景素材生成
- NPCテキスト生成
開発コストの増大に対する対応手段として
AI活用が進んでいます。
特にAAAタイトルでは、
肥大化するアセット量に対応する技術基盤として
AIが組み込まれています。
全面代替ではありませんが、
制作工程の一部に定着しています。
第6章|参入・撤退の制約
初期投資
- 開発人員確保
- エンジン利用料
- マーケティング費用
AAAタイトルでは数百億円規模の開発費となるケースがあります。
参入障壁
- 技術力
- IP保有
- プラットフォームとの関係
第7章|経済安全保障との距離
① デュアルユース性
軍事転用産業ではありません。
② データ主権
- ユーザーデータは海外プラットフォームに蓄積されます
- アルゴリズム依存度が高い構造です
③ 外資依存
- Apple / Google
- Sony / Microsoft
- 中国系配信企業
外資プラットフォームとの関係性が強い産業です。
第8章|外部環境の整理
数値サマリー(2026年2月時点)
- 世界市場:約1,970億ドル
- 日本市場:約2兆3,961億円
- 世界プレイヤー人口:約36億人
- モバイル比率:約50%
変えられない前提
- プラットフォーム依存構造
- 海外市場依存
- ヒット作依存モデル
- 手数料構造の変化過程
第9章|次におすすめの資料
この市場規模と収益モデルの構造が、
なぜ企業間で大きな利益格差を生むのか。
内部環境編で整理します。
関連記事
出典
- Newzoo Global Games Market Report
- ファミ通ゲーム白書2025
- 経済産業省 コンテンツ産業関連資料
- CERO資料