一般教養知識・情報2026-02-23

【Part7】業界分析|重点17分野『コンテンツ』:その構成産業②ゲーム産業(内部環境編)

ゲーム産業の外部環境を前提に、業界内部の収益構造・人件費構造・ヒット依存モデルの実態を定量中心で整理する。

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業界分析|内部環境分析(構造・収益・組織)

目的:
外部環境の前提が、業界内部でどのような構造として固定されているのかを理解することです。


第0章|この内部環境編の立ち位置

  • 本稿は外部環境編の続編です
  • 戦略提言は行いません
  • 良し悪しの評価はしません

👉 構造の整理までに留めます。


第1章|業界内プレイヤー構造

主要レイヤー

ゲーム産業は以下のレイヤーで構成されています。

  1. プラットフォーマー

    • 任天堂
    • Sony(PlayStation)
    • Microsoft(Xbox)
    • Apple / Google
  2. パブリッシャー

    • カプコン
    • スクウェア・エニックス
    • Electronic Arts
    • Tencent 等
  3. デベロッパー(開発会社)

  4. eスポーツ・配信関連事業者

市場集中度

  • 上位企業が売上の大部分を占める構造です。
  • 一方で、開発会社は中小規模が多数存在します。

プラットフォームを保有する企業と、
ソフト供給企業との間で力関係に差があります。


第2章|収益構造の全体像(How)

売上構造

  • パッケージ販売
  • ダウンロード販売
  • 課金(アイテム・ガチャ)
  • DLC
  • サブスクリプション

サービス継続モデルへの転換

現在の収益構造は、
「発売日がピーク」というモデルではなくなっています。

内部KPIは、

  • MAU(月間アクティブユーザー数)
  • ARPPU(課金ユーザー一人当たり平均売上)
  • 継続率

の維持へと移行しています。

完成して終わるモデルではなく、
数年にわたる継続開発・運営型モデルが一般化しています。

その結果、

  • 運営チームの恒常化
  • サーバー維持費の継続発生
  • バランス調整・イベント開発の常態化

といった固定コスト構造が内部に組み込まれています。

ヒット依存モデル

大型タイトル(AAAタイトル)では、

  • 開発費:数百億円規模
  • 開発期間:3〜6年

というケースがあります。

AAAタイトルとは、
大規模予算・長期開発・世界同時展開を前提とする大型作品を指します。

ヒット時の収益は大きい一方で、
不振時の損失規模も大きい構造です。

利益率の差

  • プラットフォーマー:高収益傾向
  • IP保有パブリッシャー:中程度
  • 受託型開発会社:利益率が低くなりやすい

立場により収益性が大きく異なります。


第3章|人件費構造と労働集約性

人件費比率

AAAタイトルの開発費の約7〜8割は人件費です。

特に、

  • 高精細な3Dアセット
  • 背景制作
  • キャラクターモデル
  • モーション制作

に多くの人員が投入されています。

大型案件では、
500人〜1,000人規模のメガプロジェクトとなるケースがあります。

売上/人のばらつき

ヒットタイトル保有企業と
受託型企業では売上/人に大きな差があります。

アセット制作とAIの実態

生成AIは、

  • 3Dモデル生成
  • 背景素材生成
  • NPCテキスト生成

に活用されています。

一方で、

アセット量が増えた結果、
品質管理(検修)工程の負荷が増大するケースもあります。

現時点では、

総コストを抜本的に削減する構造には至っていません。


第4章|固定費と変動費の構造

固定費

  • 開発人件費
  • エンジン利用料
  • 常設運営チーム

継続運営型モデルでは、
固定費化が進んでいます。

変動費

  • 広告宣伝費
  • サーバー費用
  • プラットフォーム手数料

時間的歪み

開発期間が5年を超えるケースでは、
プロジェクト開始時と発売時で市場トレンドが変化することがあります。

大型化・長期化により、
時間的なズレが生じやすい構造です。

また、

職能別専門化が進み、

  • 特定アセット専任職
  • 技術特化型ポジション

が増加しています。

一方で、
全体を統合的に管理できるディレクター人材の不足が指摘されています。


第5章|なぜ収益が二極化するのか

IP保有の有無

自社IPを保有する企業は
シリーズ化により収益安定性が高まります。

受託型企業は
案件依存度が高くなります。

プラットフォーム交渉力

プラットフォーマーは手数料を設定する立場です。
他レイヤーはそのルールに従います。

グローバル展開能力

海外売上比率の高い企業と
国内依存企業で収益構造が異なります。


第6章|内部で誤解されやすいポイント

誤解① 市場規模拡大=全社成長

世界市場が約1,970億ドル規模であっても、
すべての企業が同様に売上を伸ばしているわけではありません。

誤解② デジタル=低コスト

ダウンロード販売が主流でも、
開発費の肥大化が続いています。


第7章|内部構造の整理

数値要約

  • 世界市場:約1,970億ドル
  • 日本市場:約2兆3,961億円
  • プレイヤー人口:約36億人

動かしにくい前提

  • ヒット依存モデル
  • プラットフォーム手数料構造
  • IP集中
  • 開発費の大型化
  • 継続運営型モデルへの固定化

第8章|有料版への橋渡し

就活・転職向けでは、
どのレイヤーに入るかでリスク構造が異なる点を整理します。

経営企画向けでは、
IP戦略とユニットエコノミクスを分解します。

👉 本稿は構造整理までです。


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出典

  • Newzoo Global Games Market Report
  • ファミ通ゲーム白書2025
  • 各社有価証券報告書

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