🔬 はじめに:ウイスキーの「魂」をつくる工程
ウイスキー造りの心臓部ともいえる工程――それが**蒸留(Distillation)**です。
発酵によって得られた「もろみ(Wash)」から、
アルコールと香味成分を選び取り、ウイスキーの原型「ニューポット」を生み出します。
🌡️ 蒸留の基本原理
アルコールと水は沸点が異なります。
- 水:100℃
- エタノール:約78.3℃
この沸点差を利用し、アルコールを優先的に気化 → 冷却 → 再液化することで、
アルコール濃度の高い液体を得るのが蒸留の仕組みです。
🧪 流れ
- 「もろみ(Wash)」を加熱
- アルコール蒸気を発生
- 蒸気を冷やし、液体化
- 高濃度の「ニューポット(新酒)」を得る
蒸留は「液体の香りと性格をデザインする」科学なのです。
🥇 ポットスチルの形が味を変える
ウイスキーの蒸留に欠かせないのが、銅製の蒸留器「ポットスチル」。
スチルの形や高さによって、ウイスキーの香味は劇的に変化します。
| 形状 | 特徴 | 味わい |
|---|---|---|
| 背が高いスチル | 蒸気がゆっくり上昇 | 軽く華やか |
| 背が低いスチル | 蒸気が密に上昇 | 濃厚で重厚 |
銅は硫黄化合物を吸着し、不快な匂いを除去する役割もあります。
🔁 二回蒸留と三回蒸留の違い
スコッチウイスキーでは二回蒸留が主流、
アイリッシュウイスキーでは三回蒸留が一般的です。
二回蒸留(スコッチ式)
-
初留(Wash Still)
もろみ(Wash)を蒸留し、アルコール度の低い液体
👉 **「ロー・ワインズ(Low Wines)」**を得る。 -
再留(Spirit Still)
ロー・ワインズを再蒸留し、アルコール度や香味の異なる成分を分離。
中間部分「スピリッツ(Spirit)=ミドルカット」が最終的な原酒となります。
→ 香り豊かでオイル分を感じる、深みのある味わいに。
三回蒸留(アイリッシュ式)
ロー・ワインズをさらにもう一度蒸留することで、
よりクリーンでなめらかな酒質に仕上がります。
日本の蒸溜所(例:ニッカ)では、初留液を「ローラン(Low Run)」と呼ぶ場合もあります。
🧬 科学的な視点:揮発と凝縮の連続
蒸留では、「揮発(気化)」と「凝縮(液化)」のサイクルが繰り返されます。
この過程で、香り成分(エステル・フェノール・アルデヒドなど)が選択的に残り、
ウイスキー特有の複雑な香味を形成します。
💡 蒸留方式:ポット vs カラム
| 蒸留方式 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ポットスチル | 伝統的・手作業・個性的 | シングルモルト |
| カラムスチル | 連続式・大量生産 | グレーンウイスキー |
モルトとグレーンがブレンドされる背景には、
この蒸留方式の違いがあります。
💎 おすすめの1本:グレンモーレンジ
スコットランド・ハイランド地方の代表的モルト。
世界一高いポットスチルによって生まれる軽やかでフルーティな香りが特徴で、
初心者でも飲みやすく、価格も手頃なバランスの良い一本です。
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出典
- サントリー公式サイト
- ニッカウヰスキー 技術資料
- Scotch Whisky Association
- Whisky Science Journal
- Whisky Advocate