whisky知識・情報2025-11-09

蒸留とは?アルコールを生み出す科学|ウイスキー造りの核心を解説

ウイスキーを生み出す「蒸留」という工程。その仕組みと科学、そしてポットスチルの形状や二回蒸留の意味をわかりやすく解説します。

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🔬 はじめに:ウイスキーの「魂」をつくる工程

ウイスキー造りの心臓部ともいえる工程――それが**蒸留(Distillation)**です。
発酵によって得られた「もろみ(Wash)」から、
アルコールと香味成分を選び取り、ウイスキーの原型「ニューポット」を生み出します。


🌡️ 蒸留の基本原理

アルコールと水は沸点が異なります。

  • 水:100℃
  • エタノール:約78.3℃

この沸点差を利用し、アルコールを優先的に気化 → 冷却 → 再液化することで、
アルコール濃度の高い液体を得るのが蒸留の仕組みです。

🧪 流れ

  1. 「もろみ(Wash)」を加熱
  2. アルコール蒸気を発生
  3. 蒸気を冷やし、液体化
  4. 高濃度の「ニューポット(新酒)」を得る

蒸留は「液体の香りと性格をデザインする」科学なのです。


🥇 ポットスチルの形が味を変える

ウイスキーの蒸留に欠かせないのが、銅製の蒸留器「ポットスチル」。
スチルの形や高さによって、ウイスキーの香味は劇的に変化します。

形状特徴味わい
背が高いスチル蒸気がゆっくり上昇軽く華やか
背が低いスチル蒸気が密に上昇濃厚で重厚

銅は硫黄化合物を吸着し、不快な匂いを除去する役割もあります。


🔁 二回蒸留と三回蒸留の違い

スコッチウイスキーでは二回蒸留が主流、
アイリッシュウイスキーでは三回蒸留が一般的です。

二回蒸留(スコッチ式)

  1. 初留(Wash Still)
     もろみ(Wash)を蒸留し、アルコール度の低い液体
     👉 **「ロー・ワインズ(Low Wines)」**を得る。

  2. 再留(Spirit Still)
     ロー・ワインズを再蒸留し、アルコール度や香味の異なる成分を分離。
     中間部分「スピリッツ(Spirit)=ミドルカット」が最終的な原酒となります。

→ 香り豊かでオイル分を感じる、深みのある味わいに。

三回蒸留(アイリッシュ式)

ロー・ワインズをさらにもう一度蒸留することで、
よりクリーンでなめらかな酒質に仕上がります。

日本の蒸溜所(例:ニッカ)では、初留液を「ローラン(Low Run)」と呼ぶ場合もあります。


🧬 科学的な視点:揮発と凝縮の連続

蒸留では、「揮発(気化)」と「凝縮(液化)」のサイクルが繰り返されます。
この過程で、香り成分(エステル・フェノール・アルデヒドなど)が選択的に残り、
ウイスキー特有の複雑な香味を形成します。


💡 蒸留方式:ポット vs カラム

蒸留方式特徴用途
ポットスチル伝統的・手作業・個性的シングルモルト
カラムスチル連続式・大量生産グレーンウイスキー

モルトとグレーンがブレンドされる背景には、
この蒸留方式の違いがあります。


💎 おすすめの1本:グレンモーレンジ

スコットランド・ハイランド地方の代表的モルト。
世界一高いポットスチルによって生まれる軽やかでフルーティな香りが特徴で、
初心者でも飲みやすく、価格も手頃なバランスの良い一本です。

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出典

  • サントリー公式サイト
  • ニッカウヰスキー 技術資料
  • Scotch Whisky Association
  • Whisky Science Journal
  • Whisky Advocate

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