初臨界達成の直後に浮上した、送電網接続という新たな壁
本シリーズ3部作で確認した通り、Okloは対象4社の中で最も商業化に近い一方、規制・送電網インフラを巡る新たなリスクにも直面しています。本稿では、2026年8月7日発表のQ2決算と、8月28日に表面化したPJM(地域送電系統運用機関)とのインターコネクション(送電網接続)を巡る紛争を中心に検証します。
KPIサマリー(2026年9月4日時点)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | $40.78前後 |
| 時価総額 | 約$67億〜76億 |
| 52週レンジ | $36.61〜$193.84 |
| 年初来騰落率 | 約▲43.5% |
| Q2売上高 | $1.2M(市場予想上回る) |
| Q2 EPS | ▲$0.28(市場予想▲$0.16を下回る) |
この記事のポイント
- PJMが2026年8月3日、Meta社の12億ワット契約を含むオハイオ州1.2GWキャンパス計画の一部(750MW複合プロジェクト)を送電網接続スタディサイクルから除外。 Okloは8月28日にFERCへ緊急申し立て、PJM回答期限は9月4日
- この除外により、プロジェクトが少なくとも14ヶ月遅延し、開発コストも増加する可能性がある。 拘束力ある契約でも、送電網インフラという第三者要因が実現時期を左右する事例
- 8月5〜6日、テキサス州のGroves同位体試験炉が初臨界を達成。 米国内で民間企業が更地から原子炉を臨界に至らせた初の事例だが、商業発電用のAurora初号機とは別プロジェクト
- Q2売上高120万ドルは市場予想を上回ったが、EPS(▲0.28ドル)は市場予想(▲0.16ドル)を下回る損失拡大
- アナリスト目標株価には大きな幅がある(Wedbush $110 vs Truist Securities $51への引き下げ)。CFOによる約63.7万ドルの自社株売却も報じられている
レポート全文はこちら
ナトリウム冷却高速炉の技術的位置づけ、PJM・FERC紛争の詳細な経緯、Q2決算のセグメント別ハイライト、Holtec Nuclearの新規上場という競争環境の変化、株式バリュエーションとアナリスト評価の乖離、5つのリスク要因、そして「WHAT TO WATCH」6項目を収録した完全版レポートをご用意しています。
シリーズ構成
- 第1弾:AI×量子コンピューティング(完結)
- 第2弾:AI×次世代原子力 前編・中編・後編(完結)
- 第2弾:個別企業編① Oklo(本稿)
- 第2弾:個別企業編② NuScale Power
- 第2弾:個別企業編③ NANO Nuclear Energy
- 第2弾:個別企業編④ Centrus Energy
関連レポート
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の購入・売却を推奨するものではありません。PJMとのインターコネクション紛争は係争中であり、FERCの最終的な裁定・スケジュールへの影響は本稿作成時点で確定していません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。