受注急拡大の裏で、CFO突然退任と「量子優位性」論争が続く
本シリーズ3部作で確認した通り、D-Waveは商用収益比率の上昇が最も進む一方、受注と売上のギャップが4社中最大という特徴を持ちます。本稿では、2026年8月6日発表のQ2決算に加え、8月25日に発表されたCFO退任という新たな材料、そして中編で扱った「Beyond-Classical」論争のその後を中心に、D-Wave個別の状況を検証します。
KPIサマリー(2026年8月28日時点)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | $17.01前後 |
| 時価総額 | 約$6.3B〜$6.7B |
| 52週レンジ | $12.75〜$46.75 |
| Q2売上高 | $3.08M(前年同期比ほぼ横ばい) |
| 上半期ブッキング | $35.5M(前年同期比+1,120%) |
| PSR(直近報道集計) | 約532倍(2026年8月28日時点) |
この記事のポイント
- Q2ブッキング(受注)は前年同期比59%増、上半期では1,120%増という急拡大を記録。一方Q2売上高は308万ドルとほぼ横ばいで市場予想を下回った
- 商用顧客向け売上比率は62.4%(前年同期45%から上昇)。QCaaS収益の37.3%が「プロダクションアプリケーション」由来とされる
- 長年のCFO John Markovich氏が9月2日付で退任すると8月25日に発表。発表週の株価は16.6%下落した
- 「Beyond-Classical」論争は継続中。2026年7月にFlatiron研究所・ボストン大学がノートPC上での再現を報告し、D-Wave側はなお反論している
- PSR約532倍は対象4社中最高水準。アナリストのコンセンサスは「Strong Buy」だが、3社合計8.63億ドルのインサイダー純売却という矛盾したシグナルも存在
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市場規模における「二刀流」戦略の位置づけ、受注と売上のギャップの詳細な検証、AT&T等との商用協業の実態、CFO退任の経緯、「Beyond-Classical」論争の最新動向、株式バリュエーション、5つのリスク要因、そして「WHAT TO WATCH」6項目を収録した完全版レポートをご用意しています。
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シリーズ構成
- 第1弾:AI×量子コンピューティング 前編:業界マップ
- 第1弾:AI×量子コンピューティング 中編:技術検証編
- 第1弾:AI×量子コンピューティング 後編:投資判断編
- 第1弾:個別企業編① IonQ
- 第1弾:個別企業編② Rigetti Computing
- 第1弾:個別企業編③ D-Wave Quantum(本稿)
- 第1弾:個別企業編④ Quantum Computing Inc.(次回)
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券の購入・売却を推奨するものではありません。「Beyond-Classical」論争に関する記述は現在進行中の学術的議論の整理であり、今後の追加検証により評価が変わる可能性があります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。